2010 Fiscal Year Annual Research Report
超狭帯域レーザー顕微分光イメージングを用いた高次機能性構造の光局在反応解析
Project Area | Strong Photons-Molecules Coupling Fields for Chemical Reactions |
Project/Area Number |
19049002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
笹木 敬司 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (00183822)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 英樹 北海道大学, 電子科学研究所, 准教授 (10374670)
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Keywords | 微小球共振器 / 顕微分光イメージング / 金属ナノ構造体 / 光局在 / 光反応増強 |
Research Abstract |
光子と分子の強結合状態を形成するためには、微小球、ランダム媒質等の微小共振器や金属ナノ構造体によって、光子あるいは光子と電子がカップリングした状態を微小空間に閉じ込める系が必要であり、そのような共鳴系では時間の不確定性は大きく、スペクトル線幅が極めて狭くなる。本研究では、波長可変狭帯域レーザーをコンフォーカル系で顕微鏡に導入し、メガヘルツの周波数分解能とサブマイクロメートルの空間分解能をあわせ持つ顕微分光システムを世界に先駆けて開発した。本システムにより、光閉じ込めのQ値が8桁以上の局在場のイメージングを実現することができるとともに、局在場における光と分子の強結合反応プロセスを高効率に誘起し解析することが可能となった。また、特定領域内の構造体作製グループや反応解析グループとの共同研究として、光局在場において遷移ダイナミクスの観測や分子間エネルギー移動プロセスの増強効果の解析を実施した。 具体的には、光散乱プローブを導入した狭帯域レーザー顕微分光イメージングシステムの性能向上を行い、微小球や導波路導入ランダム媒質における光局在場の解析、局在場における分子ダイナミクスの観測を行った。また、共同研究として、金属ナノ構造体のホットスポットにおける分子遷移ダイナミクスの観測、非線形光反応プロセスの増強効果の解析を行った。また、フォトンを100%に近い効率で金属ナノ構造にカップリングさせる新奇な系として、テーパーファイバ・トロイド光共振器を提案し、共同研究として、高性能トロイド光共振器と導波路を組み合わせたシステムを構築した。本システムは極限的強結合反応場であり、フォトンと分子のカップリングについて、理論的解析とともに、領域内の共同研究により実験的検証を実施した。
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