2007 Fiscal Year Annual Research Report
光増強場における多光子光化学反応誘起とそのダイナミクス
Project Area | Strong Photons-Molecules Coupling Fields for Chemical Reactions |
Project/Area Number |
19049004
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
坪井 泰之 Hokkaido University, 大学院・理学研究院, 准教授 (00283698)
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Keywords | 金ナノ粒子 / 微小球 / キャビティ効果 / 2光子蛍光 / プラズモン / SERS / 近赤外光 / 光化学反応 |
Research Abstract |
光-分子強結合反応場(貴金属微細構造体など)を活用し、多光子吸収により光化学反応を達成できる系を探索・実証することを目指した。 1)成果1:微小共振器としてのエアロゾルやミクロ液滴をレーザー捕捉・顕微分光きる計測システムを構築し、Cavity Enhanced Raman Signalを実際に観測することができた。 2)成果2:微小共振器としてのポリマービーズを用いて、cavity効果に基づいた2光子蛍光の高効率化を達成できた。すなわち、イオン交換樹脂であるMCIゲルビーズにローダミン色素をドープすれば容易にレーザー発振することを見出したので、これを「強結合場」に用いることを試みた。顕微鏡下で微弱な1064nmレーザー光をデフォーカスして単一ポリマービーズに照射し、ローダミンの2光子蛍光を誘起したところ、ローダミンをドープしたポリマーフィルム等の場合と比較して著しく強い2光子蛍光が観測された。Q値の計算から、この現象がCavity効果に帰属できることがわかった。 3)成果3:広い面積と高いSERS能を持つ金ナノ粒子集積基板を作ることが出来た。すなわち、ガラス基板上に化学的に金ナノ粒子を集積させた基板を作製した。金ナノ微粒子の凝集状態を制御すれば、この基板にSERS機能を付与できることが確認できた。 4)成果4:この基板を用いて、高い効率で2光子光化学反応を誘起することができた。すなわち、ジアリールエテン類の開環反応を近赤外光照射で達成することに成功した。
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