2009 Fiscal Year Annual Research Report
有機ー金属ヘテロナノ界面光強結合反応場における反応制御
Project Area | Strong Photons-Molecules Coupling Fields for Chemical Reactions |
Project/Area Number |
19049006
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
及川 英俊 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 教授 (60134061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増原 陽人 山形大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (30375167)
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Keywords | ヘテロナノ界面 / 表面プラズモン / 共役系高分子 / 光強結合場 / 二光子励起 / プラズモン励起 / 固相重合 / 有機・高分子ナノ結晶 |
Research Abstract |
本研究課題では、有機-金属ヘテロナノ界面における表面プラズモン(SP)励起反応の例証とその反応制御法の確立、新たなハイブリッドナノ構造体の創製を主たる研究目的とした。バルク金属あるいは金属ナノ粒子におけるSP共鳴場と光応答性分子またはその分子集団との相互作用はまさに光-分子強結合反応場であるが、化学反応への適用例証は皆無であった。本年度は反応探索用基板の構築し、様々な二光子重合について詳細に検討した。以下に研究成果をまとめる。 (1)ポリスチレン微粒子(PSL)をシリコン基板上に六方最密充填配列させ、金蒸着処理を施した基板を作製した。 (2)この基板を用いて、フォトレジストSU-8の可視光重合(Xeランプを使用、紫外線カットフィルター付き)を試みた。リンス後のSEM観察から、金蒸着PSL粒子間に不溶物、すなわちSU-8の重合・架橋物が得られた。この架橋物の生成量は可視光の照射時間および強度に依存し、SU-8のガラス転移点以上で進行することが明らかとなった。これは開始剤からの酸触媒の拡散律速反応であることを示唆する。さらに、金蒸着した表面のラフネスとも関連があり、ラフネスが大きい程、重合・架橋反応は速やかに進行した。これは金蒸着表面に形成されるナノギャップの効果によるものであると示唆された。 (3)同様な可視光による二光子重合は他の多官能生モノマーでも見られ、しかも重合様式(ラジカル、アニオン、カチオン重合)に因らないことが判明した。 つまり、以上の結果はSP励起反応の一般性を示唆するものである。
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