2008 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ粒子超格子に基づく光電場増強場の創出とその新奇化学反応への展開
Project Area | Strong Photons-Molecules Coupling Fields for Chemical Reactions |
Project/Area Number |
19049007
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
寺西 利治 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (50262598)
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Keywords | ナノ材料 / 自己組織化 / 超格子 / 表面プラズモン / ナノ粒子 / 光電場増強場 / 化学反応 |
Research Abstract |
光-分子強結合反応場の構築は、弱い光あるいは低エネルギーの光を用いた光化学反応の高効率化や新奇反応の開拓が可能となる。ボトムアップ法により創出される精緻なナノ粒子およびその超格子を用いることにより、プラズモン誘起光電場増強による二光子励起や光電子移動反応を利用した新奇光化学反応の開拓が可能になると期待される。本年度は、超格子の粒子間距離短縮を目的とした低耐熱性低分子量チオール保護Auナノ粒子の室温粒径制御法の開発について検討を行った。2nm程度のアルカンチオール保護Auナノ粒子トルエン溶液に、酸性度の異なるプロトン酸とソフト性の異なるハロゲン化物イオンを添加することにより、配位子の脱着および粒子の融合が促進され、2-7nmの範囲でAuナノ粒子の精密粒径制御に成功した。これらAuナノ粒子LB単粒子膜の吸収スペクトル測定より、粒子間距離の減少(粒径一定)および粒径の増大(粒子間距離一定)がプラズモンカップリングを誘起し、表面プラズモン共鳴波長の長波長シフトを引き起こすことを明らかにした。次に、Auナノ粒子による増強光電場を用いた禁制遷移の許容化を目指し、光電場増強効果の大きい20nm以上の高品質金属Auナノ構造体の合成を目指し、プラズモン金属ナノ粒子凝集体のプラズモン励起による一重項酸素の生成(^3O_2→^1O_2 : 禁制遷移)について検討した。電解質添加等により種々の粒径を有するAuナノ粒子凝集体を形成させ、524nm励起光照射(キセノンランプ)による一重項酸素の生成を近赤外発光スペクトルにより測定したところ、一重項酸素からのリン光は観察されなかった。一重項酸素生成の有無、および、一重項酸素からAuナノ粒子へのエネルギー移動を別々に検討する必要がある。
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Research Products
(16 results)