2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | New Horizons of Photochromism: Customized Molecular Design and Novel Applications |
Project/Area Number |
19050001
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
新井 達郎 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (50151139)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
百武 篤也 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (70375369)
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Keywords | 巨大構造変化 / 巨大分子 / 光異性化 / 励起状態 / 蛍光 / デンドリマー / スチルベン / フォトクロミズム |
Research Abstract |
光により構造変化を起こしうるデンドリマーや集合体を形成するデンドリマーをいくつか合成し、溶媒との相互作用、溶液中の構造、光捕集、構造変化、励起状態の性質、ダイナミクスなどについて研究した。 中心に芳香族エンジインを導入した脂溶性および水溶性デンドリマーでは、トランス体だけでなく、シス体も高効率で発光した。また有機溶媒中では光異性化を起こし、水中ではデンドリマーのオリゴマー化を起こすなど、環境により光反応経路のコントロールが可能であった。水中では分子が収縮し、デンドロンからコアへのエネルギー移動効率が上昇した。さらに、エンジインはシス体・トランス体間の構造変化が大きいため、同一分子量のデンドリマーにおいてもシス体とトランス体がGPCで分離可能であることが分った。 また、ナフタレンの周辺にベンジルエーテル型のデンドロンを置換し、最外部に水溶性のカルボキシル基を導入したデンドリマーの水溶液中における集合とそれに伴う特異な蛍光挙動およびそれらに対する世代の効果などを見いだした。また、ベンゾフェノンを周辺に置換したスチルベンデンドリマーで三重項におけるシスートランス異性化と高効率な分子内の一重項エネルギー移動、三重項エネルギー移動などを明らかにするとともに、これらのデンドリマーの最外部にアルキル基を導入するとヘキサンのような溶媒中でも集合し、特異な光化学的挙動を示すことを見いした。 このように、疎水部として蛍光性かつ光応答性の部位を導入し、外側に親水基を導入して水溶性となった巨大分子では、内部の疎水部の特異な光機能性がいくつか観測された。さらに、これらの光反応性が、デンドロン置換基の置換位置の効果を受けること、水溶性デンドリマーの内部に対する機能分子の取り込みと放出を光で制御できる可能性についても見いだした。
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