2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | New Horizons of Photochromism: Customized Molecular Design and Novel Applications |
Project/Area Number |
19050002
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉田 亮 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 准教授 (80256495)
|
Keywords | フォトクロミズム / 高分子ゲル / 振動反応 / 機能性表面 / アクチュエータ |
Research Abstract |
これまでにフォトクロミック部位を導入した自励振動高分子を新たに合成し、光応答性の評価を行った。N-イソプロピルアクリルアミド(NIPAAm)、BZ反応の金属触媒であるルテニウムビピリジン錯体(Ru(bpy)_3^<2+>)モノマー、光照射により開環/閉環異性化するスピロピラン残基を有するacrylated spirobenzopyran(Sp)モノマーをラジカル重合し、三元系高分子(poly(NIPAAm-co-Ru(bpy)_3-co-Sp))を合成した。次に、pHの異なる高分子水溶液を調製し、定温条件下で400-440nmの光照射前後におけるUV-Vis吸収スペクトル変化を測定した。さらに高分子溶液を一定速度で昇温させながら透過率変化を測定し、光照射前後におけるLCST変化を調べた。合成した高分子水溶液は、酸性条件が強くなるほど開環体のメロシアニン(Mc)の吸収ピーク(422nm)が強く現れていることが確認された。また400-440nmの青色光照射後、Mcから閉環体であるSpへの異性化によりMcの吸収ピークの減少、およびSpの吸収ピーク(530nm)の増加が見られた。同時に溶解していた高分子が光照射により不溶化し沈殿していることが確認された。これはMcからSpへの速やかな光異性化に伴い高分子の電荷量が減少し、一定温度下において高分子鎖の溶解性が変化したためである。次に暗所下で吸収スペクトル変化を測定すると、SpからMcへの異性化が確認された。さらにBZ反応が生起するために必要な強酸性環境下においてポリマー溶液の透過率変化を測定した。光照射により相転移温度が低温側にシフトし、このことから、高分子ゲルの自励振動を光制御することが可能であると示唆された。
|