2007 Fiscal Year Annual Research Report
架橋フォトクロミック液晶高分子を用いたメカニカル機能の創出
Project Area | New Horizons of Photochromism: Customized Molecular Design and Novel Applications |
Project/Area Number |
19050003
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
池田 富樹 Tokyo Institute of Technology, 資源化学研究所, 教授 (40143656)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宍戸 厚 東京工業大学, 資源化学研究所, 准教授 (40334536)
木下 基 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教 (40361761)
間宮 純一 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教 (80401511)
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Keywords | 架橋液晶高分子 / 光運動材料 / 光アクチュエーター / 光-力変換材料 / フォトメカニカル効果 / フォトクロミズム |
Research Abstract |
フォトクロミック化合物を架橋液晶高分子中に導入することにより,光によって変形する高分子材料を創出することができる。光変形を誘起できる架橋フォトクロミック液晶高分子は,光エネルギーを直接力学的仕事に変換することができる光-力変換材料として機能することから近年注目を集めている。本研究では,光照射により多彩な運動を誘起できる高分子材料の開発を目指して,フォトクロミック分子の設計および架橋液高分子の調製法などについて検討を行い,さまざまな光運動材料を創出することを目的としている。 本年度は,アゾベンゼンモノマーおよびアゾベンゼン架橋剤をそれぞれ合成し,架橋剤濃度の異なる架橋液晶高分子フィルムを作製した。さらに,架橋液晶高分子フィルムの光照射時における収縮量や発生応力について,架橋剤濃度の観点から検討した。その結果,架橋剤濃度が高いほど初期配向の高いフィルムが得られ,発生応力についても架橋剤濃度の増加に伴って増大することが分かった。架橋点の増大によって,アゾベンゼンの配向秩序の変化を効果的に系全体に増幅することができるためであると考えている。 また,新たにジアリールエテンやアゾトランなどを導入したモノマーを設計し,合成を進めている。合成した光応答性モノマーの液晶性や光異性化挙動など詳細な検討を行い,液晶モノマーの光重合条件を最適化し,高配向な架橋フォトクロミック液晶高分子の調製,多彩な運動モードを示す光運動材料の創出および光運動メカニズムの解明などを行う予定である。
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