2009 Fiscal Year Annual Research Report
架橋フォトクロミック液晶高分子を用いたメカニカル機能の創出
Project Area | New Horizons of Photochromism: Customized Molecular Design and Novel Applications |
Project/Area Number |
19050003
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
池田 富樹 Tokyo Institute of Technology, 資源化学研究所, 教授 (40143656)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宍戸 厚 東京工業大学, 資源化学研究所, 准教授 (40334536)
木下 基 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教 (40361761)
間宮 純一 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教 (80401511)
|
Keywords | 光運動材料 / 架橋液晶高分子 / フォトクロミズム / アクチュエーター / フォトメカニカル |
Research Abstract |
架橋フォトクロミック液晶高分子は,光エネルギーを直接仕事に変換することができ,光アクチュエーターへの応用が期待されている。本研究では,フォトクロミック分子の微視的構造変化を物質の巨視的な変形へと増幅し,さまざまな運動を示す光運動材料を開発することを目的とした。これまでにフォトクロミック分子としてアゾベンゼンを用いて架橋液晶高分子を作製し,その光運動特性を評価してきた。本年度は,架橋フォトクロミック液晶高分子を用いた光運動材料の一般性を評価するために,アゾベンゼンとは異なるフォトクロミック分子であるジアリールエテンに着目し,架橋ジアリールエテン液晶高分子の光応答性を評価した。ジアリールエテンの両側にメソゲンを導入し,さらに重合基を有するジアリールエテン液晶架橋剤を設計・合成した。合成した化合物を光重合することにより,メソゲンが一軸配向した架橋ジアリールエテン液晶高分子を調製することができた。この架橋ジアリールエテン液晶高分子フィルムに紫外光を照射すると瞬時に紫色に着色し,さらに照射を続けると光源方向に屈曲した。また,フィルムに可視光を照射するとフィルムは無色になり,徐々に形状が戻り始めた。可視光を照射したフィルムを加熱するとフィルムの形状は完全に元の形状まで復元することが分かった。アゾベンゼンだけではなく,異なるフォトクロミック化合物から光運動材料を創出することができ,フォトクロミック化合物の分子形状変化およびメソゲンの光配向変化に基づいた光運動材料の一般性・汎用性が示された。
|
Research Products
(37 results)