2009 Fiscal Year Annual Research Report
2次元の分子自己集合に基づく光メカニカル機能発現と応用
Project Area | New Horizons of Photochromism: Customized Molecular Design and Novel Applications |
Project/Area Number |
19050005
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
関 隆広 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 教授 (40163084)
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Keywords | フォトメカニカル効果 / アゾベンゼン / LB膜 / 高分子薄 / 光誘起物質移動 / AFM測定 |
Research Abstract |
昨年度、片方のブロックが光応答性アゾベンゼン高分子である共重合体の薄膜におけるミクロ相分離パターンの二次元形態の光制御が可能であり、さらに再配向も可能であることを示した。すなわち、数10nmレベルのミクロ相分離によるアモルファス高分子のシリンダー配列を直線偏光照射と熱処理により面外、面内ともに自由に配向させることができる。アゾベンゼンの分子レベルでの光配向現象がどのように高分子のミクロ相分離構造の配向変化をもたらすかについては、全く知見が無い。そのために、本年度では、つくばフォトンファクトリーの放射光施設において、液晶構造の再配向挙動と相分離シリンダー構造の変化との時間的相関をリアルタイムで観測することを試みた。アモルファス成分の高分子として、ガラス転移温度が比較的低いものを用いることで、偏光照射しながら配向変化するプロセスを観測することに成功した。 光誘起物質移動において、当グループは光照射で誘起される液晶相-等方相の相転移に基づく高感度の系を提案し系統的な研究を進めている。特にブロック共重合体を用いた新たな階層的なレリーフ構造の構築と、アゾベンゼンを容易に除去するための超分子的なシステムの提案を行った。今さらに、チタニア系無機材料とアゾベンゼンとの液晶性ハイブリッド材料を開発し、その光誘起物質移動に挙動について検討を進めた。適切な温度に加熱することでこのハイブリッド材料においても有機高分子系と同等に効率的な移動が観測されレリーフが形成されることがわかった。
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