2008 Fiscal Year Annual Research Report
超高速時間分解計測によるフォトクロミック反応ダイナミクスとメカニズムの解明
Project Area | New Horizons of Photochromism: Customized Molecular Design and Novel Applications |
Project/Area Number |
19050006
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮坂 博 Osaka University, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (40182000)
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Keywords | フォトクロミズム / フェムト秒ダイナミクス / コヒーレント振動 / 環開閉反応 / 多光子反応 / レーザー反応制御 |
Research Abstract |
光吸収によって数ピコ秒(ps)から数10ps以内の時間領域で進行するフォトクロミック反応は、反応の時間原点を決定できるという特長を有し、振動周期程度の時間分解能を持つ超高速レーザー分光を応用することによって、詳細な化学結合の開裂や生成挙動の実時間測定による解明が可能な化学反応系である。本年度は、モニター光にも分子内振動のコヒーレンスや振動数の変化、その電子状態との相関を明確に観測可能とする分子内振動の一周期以内程度の10フェムト秒(fs)の時間分解分過渡吸収装置、また100fs程度ではあるが、発光の時間分解計測装置を構築・応用し、主に環開閉型のフォトクロミック化合物を対象に、その光反応過程のダイナミクスを実時間で測定し、結合切断・生成にいたる分子内反応の詳細な反応機構の解明を行った。その結果、まずアリール基を変えた種々の構造を持つ一連のジアリールエテン誘導体に射する測定から、開環反応収率の大きな系においては、同旋的なアリール基の分子内振動の周波数を実験的に特定するとともに、この大振幅振動の位相緩和速度が長い傾向にあり、反応頻度因子の増大として重要な役割を果たすことが明らかになった。また、種々の溶媒中における測定を行い溶媒効果を検討することによって開環反応を阻害する無輻射過程の約70-80%は円錐交差で決定し20-30%は、閉環体のS1状態近傍において進行することが判明した。また、閉環反応に対しても分子構造の効果、溶媒効果を含めて多種の系を検討した結果、大振幅振動の1周期の時間以内に多くの反応は進行することが判明した。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Systematic Synthesis, Isolation, and Photophysical Properties of Linear-shaped Re(I)Oligomers and Polymers with 2-20 units2008
Author(s)
Y. Yamamoto, S. Sawa, Y. Funada, T. Morimoto, M. Falkenstrom, H. Miyasaka, S. Shishido, T. Ozeki, K. Koike, O.Ishitani
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Journal Title
J. Am. chem. Soc 130
Pages: 14659-14674
Peer Reviewed
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