2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | New Horizons of Photochromism: Customized Molecular Design and Novel Applications |
Project/Area Number |
19050009
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松田 建児 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 准教授 (80262145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深港 豪 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (80380583)
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Keywords | ナノ材料 / 複合材料・物性 / 光物性 / 光スイッチ |
Research Abstract |
アバランシェ反応系を組み上げる上で、非常に重要なポイントは、高効率に反応する配列を構築し、その反応を追跡できるようにすることである。そこで、固体表面、固液界面での2次元配列に着目して配列制御を第一の検討課題とすることにした。ここでは、HOPG/octanoic acid界面でのSTM測定によるジアリールエテンダイマーの光配列制御について検討した。長鎖アルキル基とピレンは基板との相互作用を増やすために、ピレンとジアリールエテンの間のアルキル基は自由度を高めるために、それぞれ導入した。 両側開環体(o-o)はHOPG/octanoic acid界面で配列構造が観察された。この配列に紫外光を照射すると新たな配列構造が現れた。紫外光照射後の新たな配列構造(間隔2.2 nm)は(o-o)の配列(間隔5.8 nm)に比べて周期構造が狭くなっており、より密なパッキングをしていることが示唆された。さらに可視光を照射すると配列構造が元に戻ることを確認した。また、この配列構造が何に由来するのかを確かめるために、片側閉環体(o-c)、両側閉環体(c-c)のSTM測定を行った。その結果、(o-c)では間隔4.7 nmの、(c-c)では間隔1.9 nmの配列が観測され、紫外光照射後の新たな配列構造は(c-c)の配列構造であることが分かった。また、すべての配列構造は分子モデルによって合理的に説明された。閉環体ではジアリールエテン部分が縦に配列したため密なパッキングを取ったと考えられる。溶液相で光異性化した分子が異なるパッキングで2次元配列し、光による可逆なドメインの変化をもたらしたものと考えられる。分子レベルでの反応の追跡が今後の課題である。
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Research Products
(4 results)