2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | New Horizons of Photochromism: Customized Molecular Design and Novel Applications |
Project/Area Number |
19050013
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
玉置 信之 Hokkaido University, 電子科学研究所, 教授 (00344218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 陽久 産業技術総合研究所, ナノテクノロジー研究部門, 研究員 (80356352)
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Keywords | アゾベンゼン / 分子機械 / 光駆動 / 高分子 / 面不斉 / モータータンパク |
Research Abstract |
面不斉を有するアゾベンゼンを3種類合成し、ネマティック液晶を媒体とする光駆動分子機械のエンジン分子としての特性を調べた。ネマティック液晶に上記アゾベンゼンを添加することでキラルネマティック相を誘起し、配向膜を施した基板上で液晶薄膜はプラナー-ホメオトロピックのハイブリッド配向を示した。空気との界面に現れるホメオトロピック配向に基づく縞模様はアゾベンゼンの光異性化反応によって可逆的に回転した。回転量はアゾベンゼンの異性化反応に伴うねじり力変化の大きさに依存した。μmサイズの物体を液晶薄膜上に添加して同様の光反応を行うと液晶の縞模様の回転に伴って物体が可逆的に回転した。同様の現象は、ヘリカル不斉や軸不斉を有するフォトクロミックエンジン分子でもすでに観察されていたが、その現象が面不斉を有する添加剤でも現れる一般的な現象であることが確認できた。 光応答性高分子による分子機械の構築に関しては、アゾベンゼン部位を末端に2つもつオリゴーN-イソプロピルアクリルアミドを新たに合成し、その相転移挙動について調べた。オリゴマーの水溶液における雲点を、365nm光および530nm光を照射した場合それぞれについて600nm光の透過率変化から求めた。その結果、従来型とは逆に365nm光に射時に転移温度の低温側へのシフトが起こることがわかった。アゾベンゼン分子の吸収スペクトルからは、希薄条件下であってもアゾベンゼン部位が会合した状態で分散しており、その会合は温度上昇にともなってほどけていく変化がみられた。このことから連結アゾベンゼン部位の特異な会合特性が、これまでとは異なる相転移挙動を引き起こした可能性が考えられる。今後、 この特性を利用して光に集まる、もしくは光から逃げる高分子の特性を明らかにしていく予定である。 モータータンパクを光で駆動する非加水分解性ATPアゾベンゼンの合成に関しては分子設計を終え、合成を進めている。
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Research Products
(3 results)