2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | New Materials Science Using Regulated Nano Spaces -Strategy in Ubiquitous Elements |
Project/Area Number |
19051002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
寺内 正己 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 教授 (30192652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津田 健治 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (00241274)
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Keywords | 解析・評価 / 電子顕微鏡 |
Research Abstract |
(1) ボロンナノベルト : 収束電子回折法により構造の対称性を詳細に調べた結果、c軸入射で期待された4回回転対称性観察されないだけでなく、場所により回折強度分布が異なることが明らかとなった。この事実は、X線回折での平均構造解析から、サイト占有率が100%でない、すなわち確率的に欠陥が分布しているという結果が得られていることと符合すると解釈できることがわかった。 (2) ゼオライトカーボン : 電子エネルギー損失分光により炭素K殻励起スペクトルを測定した結果、炭素原子のsp2混成軌道によるネットワーク構造からなっていることが明らかとなった。また、軟X線発光分光法により炭素K発光を測定した結果、照射ダメージを抑えた実験を行うとC60結晶と似た構造が価電子帯に存在することが明らかとなってきた。さらに照射ダメージを抑えた実験により、価電子のエネルギー状態の特徴を明らかにする可能性がある。 (3) C60ポリマー : 電子回折で単結晶性を確認した試料片からの軟X線発光分光スペクトル測定に初めて成功した。得た炭素K発光スペクトルを、C60単結晶、グラファイト、ダイヤモンド、アモルファスカーボンから得たスペクトルと比較したところ、どれとも異なる価電子エネルギー分布の特徴を有することが明らかとなった。理論計算から期待された微細構造が観察されておらず、試料結晶の品質および実験条件を再検討し、理論と比較することとなった。 (4) 角度分解軟X線発光分光 : 単結晶領域の特定がよういであるという電子顕微鏡の特徴を生かし、単結晶領域からの角度分解軟X線発光分光のテストをグラファイトで行ったところ、π電子帯とσ電子帯のエネルギーバンド部の分布書独立に抽出できることを示した。これにより、大きな単結晶が得られなくとも、価電子の異方性分布解析が可能であることを明らかにした。
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Research Products
(21 results)