2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | New Materials Science Using Regulated Nano Spaces -Strategy in Ubiquitous Elements |
Project/Area Number |
19051002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
寺内 正己 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (30192652)
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Keywords | 解析・評価 / 電子顕微鏡 |
Research Abstract |
(1)ゼオライト鋳型カーボン:これまでで最高の37wt%の炭素をYゼオライトに詰めて作成したゼオライト鋳型カーボン(領域内のA05班で合成)に関し、電子顕微鏡観察、電子エネルギー損失分光(EELS)測定および炭素K発光スペクトルの測定を行った。その結果、1)電子顕微鏡像および電子回折図形の観察から、電子線照射によるダメージがほとんど無くこれまでよりもずっと強固な炭素原子のネットワークが形成されている、2)EELSスペクトル(伝導体状態密度分布)はsp2結合の特徴を示していた、3)炭素K発光スペクトル(価電子帯状態密度分布)はsp2結合からなる炭素ネットワーク物質であることを示すと同時にグラファイトよりもC60に近い特徴を有することを示唆した、などが明らかとなった。 (2)角度分解軟X線発光分光:単結晶領域の特定がよういであるという電子顕微鏡の特徴を生かし、マキシマムエントロピー法を用いたX線構造解析により異方的な電荷分布が報告されており、かつ、大きな単結晶が合成できないαボロン単結晶(領域内のA01班で合成)を用い、異方性計測による価電子分布の異方性計測を行った。その結果、発光主ピークの両側に異方的発光強度の存在を確認した。計算(Wien-2k、クラスター計算)と比較した結果、1)価電子帯上端の発光強度の異方性はクラスター間2中心結合(B12クラスター軌道のt_<1u>,t_<2u>の異方性)に帰属し、2)主ピークより低エネルギー側の肩状構造付近がクラスター間3中心結合(B12クラスター軌道のsgの異方性)に対応するのではないかと同定した。
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Research Products
(19 results)