2010 Fiscal Year Annual Research Report
配列ナノ空間をもつカーボン構造体を利用したエネルギーデバイス
Project Area | New Materials Science Using Regulated Nano Spaces -Strategy in Ubiquitous Elements |
Project/Area Number |
19051003
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
京谷 隆 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (90153238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西原 洋知 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (80400430)
干川 康人 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (90527839)
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Keywords | 炭素ナノ材料 / 配列ナノ空間 / カーボンナノネットワーク構造体 / パルスCVD法 / Y型ゼオライト |
Research Abstract |
今まで誰も成し得なかった配位ナノ空間を有するカーボンナノネットワーク構造体を合成し、その規則的なナノ空間構造に起因する特異な電子状態を解析することが本研究の大きな目的の1つである。このようなカーボンの3次元構造体はY型ゼオライトのナノチャンネル内で合成できるが、チャンネル内にできるだけ大量のカーボンを充填する必要がある。カーボンの充填法法としてはCVD法が最も有効であるが、従来の連続CVD法で炭素を充填してもチャンネル内にはまだまだスペースがある。そこで、今年度は通常の連続CVD法に代わりパルスCVD法を用いてカーボンナノネットワーク構造体の合成を試みた。その結果、鋳型であるゼオライトナノチャンネル中におよそ37wt%もの大量のカーボンを充填させることに成功した。この量はY型ゼオライトのスーパーケージ当たり72個の炭素原子が導入されたことに相当する。そこで、市販のモデリングソフトを用いて上記実験結果に合うようにゼオライトナノチャンネル中でカーボンの構造を構築した。この際、炭素原子は全てsp^2である、半経験的分子軌道法で構造安定化できることなどの条件を課した。その結果、2つの可能な構造が推定できた。これらの構造はスーパーケージ当たりそれぞれC_<72>、C_<72>H_8の分子構造をもっており、重量割合を計算するとそれぞれ37.5wt%および37.8wt%となり実測値に近い。さらに表面積はそれぞれ2100m^2/g、1840m^2/gと計算でき、これも実測値の1900m^2/gに近い。これらの構造は負の曲面をもつ閉じた構造のグラフェンネットワークと言え、パルスCVD法によりこのようなユニークな構造が生成した可能性がある。
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Research Products
(4 results)