2011 Fiscal Year Annual Research Report
配列ナノ空間をもつカーボン構造体を利用したエネルギーデバイス
Project Area | New Materials Science Using Regulated Nano Spaces -Strategy in Ubiquitous Elements |
Project/Area Number |
19051003
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
京谷 隆 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (90153238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西原 洋知 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (80400430)
干川 康人 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (90527839)
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Keywords | 配位ナノ空間 / ゼオライト鋳型炭素 / 電気二重層キャパシタ / ナノカーボン / スーパーキャパシタ |
Research Abstract |
鋳型法を用いることで今まで誰も成し得なかった配位ナノ空間を有するカーボンナノネットワーク構造体を合成し、その規則的なナノ空間構造に起因する特異な電子状態を解析する。それとともに合成したナノカーボンのエネルギーデバイス、とくに太陽電池と超高容量電気二重層キャパシタの電極としての可能性を探ることが本年度の目的であった。まず、電子状態の解析については本特定領域の物性理論班で行い、極めて興味深い結果が得られた。それについては物性理論班の報告書に詳しい。太陽電池と超高容量電気二重層キャパシタへの応用については後者について結果が得られたのでその概要を説明する。電気二重層キャパシタ(スーパーキャパシタ)は二次電池と比較して充電・放電を迅速に行うことが可能なため、瞬間的な電気の入出力を必要とする用途への応用が期待されている。スーパーキャパシタの電極として一般には活性炭が用いられている。しかし、活性炭の細孔構造は複雑で入り組んでいるため電解液イオンの移動抵抗が大きい。一方、規則的な配位ナノ空間を有するゼオライト鋳型炭素(Zeolite Templated Carbon ; ZTC)は活性炭を遙かにしのぐ比表面積を有し、かつ細孔は規則的に連結した構造を持つためイオンの移動抵抗が小さく、高容量に加えて高出力な電極材料となりえる。そこで、有機系、水系電解質の両方で実験を行ったところ、電流密度20A/gという極端に速い充放電を行ってもスーパーキャパシタとして十分な容量を示した。さらに容量も通常の活性炭よりはるかに高く、とくに水系の場合、酸素原子をZTCにドープすることで511F/gという炭素材料では最大の容量を示した。
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Research Products
(6 results)