2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | New Materials Science Using Regulated Nano Spaces -Strategy in Ubiquitous Elements |
Project/Area Number |
19051005
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木村 薫 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (30169924)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桐原 和大 産業技術総合研究所, ナノテクノロジー研究部門, 研究員 (70392610)
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Keywords | ナノ材料 / クラスター / 熱電変換材料 / 超伝導材料 |
Research Abstract |
1)自己補償の解明:自己補償が単体の結晶で観測されたのは本研究のβ菱面体晶ボロンが初めてであるが、α正方晶とアルミ系正20面体クラスター固体でも起きていることが確かめられ、正20面体クラスター固体に普遍的な現象であることが明らかになった。 2)新超伝導体の検証:イオン打ち込み施設を使ってα菱面体晶ボロンにLiを打ち込み、蒸気拡散法とは別の方法で新超伝導体を作製することを試みた。目標濃度まで打ち込んだ直後は結晶が壊れてアモルファスになっており、急速アニールによりα菱面体晶が回復するがLiが拡散し目標濃度を大きく下回ってしまい、超伝導は発現しなかった。B_2O_3のMg還元によるアモルファスボロンの作製にはある程度成功したが、α菱面体晶が作製できるほど良質のものは得られなかった。 3)Al系準結晶・結晶の金属結合-共有結合転換と熱電材料:MEW/Rietveld法の適用できない準結晶中の結合強度は陽電子消滅率によって評価し、MEM/Rietveld法による近似結晶中の結合強度分布と併せて、本質的に近似結晶より熱電性能が高くなると予想される準結晶のさらなる熱電性能向上を目指した。BTiRu系において新しい準結晶を発見した。 4)水素化Bクラスターのσ結合-π結合転換とドーパント打込み:四重極(多重極)イオントラップを用いて、水素数の異なるクラスターを作ることに成功した。クラスターのσ結合-π結合転換の様子を、水素数を変えたクラスターの分子軌道計算により明らかにした。 5)Ga系、In系狭ギャップ半導体における熱電材料開発(追加):すでにZTが0.5に達しているこの系のホール係数を測定し、電気伝導率とゼーベック係数がキャリア密度と共に系統的に変化することを明らかにした。
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