2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | New Materials Science Using Regulated Nano Spaces -Strategy in Ubiquitous Elements |
Project/Area Number |
19051010
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
萩原 政幸 Osaka University, 極限量子科学研究センター, 教授 (10221491)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金道 浩一 東京大学, 物性研究所, 教授 (20205058)
加賀山 朋子 大阪大学, 極限量子科学研究センター, 准教授 (40274675)
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Keywords | ゼオライト LSX / カリウムクラスター / N 型乙型磁性 / 強磁場磁化 / 多周波 ESR |
Research Abstract |
今年度は主に大阪大学の野末グループにて作られているゼオライト中にカリウムKクラスターをドープした試料に関して研究を行った。ゼオライトLSXのNa_4K_8Al_12Si_12O_48にカリウム(K)を吸蔵すると、1ユニット当たりの平均K吸蔵数nが6.5〜8.5の範囲でフェリ磁性が発現する。東京大学物性研究所においていくつかのnに対して温度1.3Kで約60 Tまでの強磁場磁化測定を行い、磁化過程がn依存性を示すことが分かった。また、キュリー温度と相関があることも明らかになった。nはユニット当たりの電子数と見なすことができるため、今後、この磁化過程の起源を電子状態から解明することが課題である。なお、本成果は2008年3月に行われる日本物理学会において発表される。(26aTF-12)電子状態の解明にはミクロな測定手段である電子スピン共鳴(ESR)が大変有用である。そこで大阪大学極限量子科学研究センターにおいてこの同じ試料で平均K吸蔵数n=7.7(キュリー温度約15K、補償温度約6 K)の多周波ESR測定を1.5Kの温度で行った。現在はおよそ300GHzまでの周波数での測定であるが、シャープなESRシグナルがg=2の常磁性共鳴ライン近くに観測された。これはギャップレスのフェリ磁性共鳴モードに対応すると考えている,今後、より高い周波数での測定を行い、ギャップを有するフェリ磁性共鳴モードに対芯するESRシグナルを観測し、電子状態の詳細な情報を得たいと考えている。
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Research Products
(2 results)