2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | New Materials Science Using Regulated Nano Spaces -Strategy in Ubiquitous Elements |
Project/Area Number |
19051013
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
黒田 一幸 Waseda University, 理工学術院, 教授 (90130872)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
望月 大 東京工業大学, 大学院・工学研究科, 助教 (90434315)
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Keywords | メソポーラス / シリカ / ユビキタス元素 / ナノ空間 / 多孔体 |
Research Abstract |
ナノレベルの規則性を有する物質の構築は、新材料創出の期待から近年注目されている。ケイ素、酸素は地殻を形成する最もありふれた元素(ユビキタス元素)であり、これらを原料とすることで低コスト、低環境負荷の材料合成が期待される。本研究課題ではシリカ系物質の分子設計により、閉じたナノ空間を有する新規メソ多孔体を合成した。 かご型ケイ酸オリゴマーは内部に閉じたナノ空間を有し、多孔体とは異なる応用が期待される。従来のかご型ケイ酸オリゴマーを用いたメソ多孔体は、かご型構造の開裂により、閉じたナノ空間は保持されていなかった。そこで、我々はかご型ケイ酸オリゴマーをアルコキシシリル化することで、かご型構造を保持し、閉じたナノ空間を有するメソ多孔体を合成した。また、環境の異なる閉じたナノ空間を提供するために、我々が以前報告した有機架橋型のかご型ハイブリッドオリゴマーを用い、同様の手法を展開した。 一方、アルコキシシランの反応性の制御による、温和な条件下でのメソ多孔体の新規合成法を提案した。我々は長鎖アルコキシ基を有するシロキサンオリゴマーが自己集合によりメソ構造を形成することを報告している。長鎖アルコキシ基は酸処理により除去できるが、メソ構造の形成段階で部分的な加水分解を生じるという問題があった。そこで、長鎖アルコキシ基を3級アルコキシ基にすることで加水分解を抑制し、高規則性メソ多孔体の合成に成功した。本手法は温和な条件による有機基の除去が特長であり、閉じたナノ空間等の構造保持に重要な手法である。 以上より、ユビキタス元素を用いた精密な分子設計により、閉じたナノ空間を有する新規メソ多孔体を合成した。今後は、分子設計による構造の多様化、閉じたナノ空間を利用した応用研究を目指す。
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Research Products
(12 results)