2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | New Materials Science Using Regulated Nano Spaces -Strategy in Ubiquitous Elements |
Project/Area Number |
19051013
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
黒田 一幸 Waseda University, 理工学術院, 教授 (90130872)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
望月 大 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (90434315)
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Keywords | メソ多孔体 / ユビキタス元素 / ナノ空間 / 自己組織化 / 層状ケイ酸塩 / 無機有機ハイブリッド / ハイブリッド発光材料 |
Research Abstract |
研究目的:本研究課題では、Si-O-Si,Si-O-C,Si-C結合を介して精密に分子設計されたオリゴマーを合成し、それらを規則的に配列させることで、分子レベルの規則性を有する「閉じた」シリカ系多孔体をボトムアップ的に構築することを目的とする。 研究方法:1)高い対称性を有する二重四員環(D4R)シロキサンオリゴマーの頂点を種々の官能基へと変換した後、本誘導体を連結させて構造体化した。2)制限空間内でのシロキサンオリゴマーの挙動の調査および新奇シロキサン物質の創製を目標として、1次元のナノ空間を有するカーボンナノチューブ内にH末端D4R(H8Si8012)を導入した。 研究成果: 1)D4Rの8頂点をジイソプロポキシビニルシリル化したオリゴマーを合成した。単独で加水分解・重縮合させることでビニル基が露出したシリカ多孔体を、H末端D4Rとヒドロシリル化反応でハイブリッドゲルを作成した場合はイソプロポキシ基が露出したシリカ多孔体を得た。続いて、D4Rの頂点をジフェニルエトキシシリル化したオリゴマーを合成した。本オリゴマーを加水分解することでシラノール末端のD4Rオリゴマーを結晶性の固体として得た。その後、加熱による固相重合を行うことで、加熱前の周期構造を反映した無孔質シリカを得た。無孔質である理由として、シリカ骨格が形成する細孔内にフェニル基が充填しているためと考えられる。 2)H末端D4Rを内径1.2-1.4nmのカーボンナノチューブと混合撹拌させることで、チューブ内にH末端D4Rが連結したダブルラダー構造(H8Si4nO8n-4)という新奇なシロキサン物質が形成した。一方、カーボンナノチューブの内径が1.7nm以上の場合には、規則構造は得られなかった。この結果から、ダブルラダー構造を形成するにはカーボンナノチューブの内径および出発分子のサイズに相関があるものと推察される。
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