2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | New Materials Science Using Regulated Nano Spaces -Strategy in Ubiquitous Elements |
Project/Area Number |
19051013
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
黒田 一幸 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (90130872)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
望月 大 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (90434315)
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Keywords | メソ多孔体 / ユビキタス元素 / ナノ空間 / 自己組織化 / シリカ / 金ナノ構造体 / マイクロ波加熱 |
Research Abstract |
本研究課題では、シリカ系メソ多孔体の閉じたナノ空間が、特異な物性・機能の発現や反応の進行などを誘起させることを明らかにすることが目的である。平成22年度は2つの研究を行った。 i)ナノ構造体は電極、触媒、光学材料等への応用可能性から注目を集めているが、その結晶成長の強さゆえに三次元的なナノ構造の制御は容易ではなかった。そのような中、シリカナノ粒子が最密充填した構造体の粒子間隙中で金の結晶成長を試みた結果、表面に規則的な凹凸を有する新奇な板状の金単結晶が得られた。通常、このような鋳型を用いると逆オパール構造の生成物が得られるが、今回は金の結晶成長に伴って鋳型の一部が劈開することで新奇な板状金ナノ構造体が得られた。これは、シリカナノ粒子集積体がフレキシブルな鋳型として利用できることに起因しており、シリカナノ粒子集積体が持つ空間特有の現象である。本手法により、金ナノ構造体の多様化や階層構造制御への展開が期待できる。 ii)石油資源の限界が叫ばれて久しい昨今、気体化石燃料である天然ガスの利用は人類全体の重要な課題である。これを解決するため、本研究ではマイクロ波を加熱手段にゼオライトを触媒として用いてメタン-ベンゼン転換反応を行った。Mo担持ZSM-5を触媒に用い873Kで行った。電気炉を加熱源として用いた場合873Kではベンゼンおよび水素の生成はほとんど見られなかったのに対し、マイクロ波照射により加熱した場合反応開始直後に水素が生成し、その生成量が急激に減少していくこと、および反応開始60minほどでベンゼンの生成量が大きく増加し始めることが確認された。マイクロ波加熱における反応の結果は、電気炉を用い973Kで反応を行った過去の報告と類似する。本反応の結果は、電気炉加熱とマイクロ波加熱で反応機構が同一でありながら、マイクロ波加熱ではより低温で反応が進行することを示している。
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Research Products
(16 results)