2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | New Materials Science Using Regulated Nano Spaces -Strategy in Ubiquitous Elements |
Project/Area Number |
19051016
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
有田 亮太郎 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 准教授 (80332592)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 隆 独立行政法人産業技術総合研究所, 計筑科学部門, 主任研究員 (30332638)
青木 秀夫 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (50114351)
丸山 茂夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90209700)
常行 真司 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (90197749)
草部 浩一 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 准教授 (10262164)
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Keywords | ゼオライト / クラスレート / ハイドレート / 第一原理計算 / 特異フォノン / カーボンナノチューブ / 強相関効果 |
Research Abstract |
本研究課題では、第一原理計算による非経験的手法をベースとして、分子動力学法や強相関モデル計算を組み合わせた複合的理論手法により、ユビキタス元素によって構成される配列ナノ空間物質における、配列空間の多様性と内部空間の自由度を活用した新機能発現の可能性を理論的に調べている。 研究計画の柱として掲げている第一原理からの未知物質の電子状態計算としては、ゼオライトをテンプレートにしたグラファイトの電子状態計策を行っている。また、体心正方格子をなすシリコン、ゲルマニウムの新構造の電子状態も行った。方法論開発の面では、大規模系のフォノンの計算を高速に行うための新しいアルゴリズムを開発し、これをC60ポリマーに適応する、ということを行った。ユニットセルが大きい大規模系の解析には、系を少数自由度のフェルミオン模型にマップする作業が非常に有効であることから、第一原理計算からこのようなマッピングを正確に行う方法論の開発にも従事した。特に、ゼオライトの中で最も簡単なソーダライトについて詳細な検討を行った。ゼオライトについては、配列ナノ空間物質特有の強相関効果発現の可能性の探索という観点から、強磁性状態が実現するK-LTAと呼ばれる系について、どのような条件で強磁性状態が実現するかについての検討も行っている。特に今年度は、スピン密度汎関数理論に基づく計算によって調べ、ケージ内のアルカリクラスターの原子配置とローカルスピンの出やすさの相関を明らかにした。分子動力学シミュレーションを用いた研究としては、特にカーボンナノチューブを対象に、熱勾配がある場合にナノチューブ内に閉じ込められた水分子の振舞いのシミュレーションなどを集中的に行っている。
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