2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | New Materials Science Using Regulated Nano Spaces -Strategy in Ubiquitous Elements |
Project/Area Number |
19051016
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
有田 亮太郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (80332592)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 秀夫 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (50114351)
丸山 茂夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90209700)
常行 真司 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (90197749)
草部 浩一 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 准教授 (10262164)
三宅 隆 独立行政法人産業技術総合研究所, ナノシステム研究部門, 主任研究員 (30332638)
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Keywords | ゼオライト / クラスレート / ハイドレート / 第一原理計算 / 特異フォノン / カーボンナノチューブ / 強相関効果 / 結晶ピセン |
Research Abstract |
本研究課題では、第一原理計算による非経験的手法をベースとして、分子動力学法や強相関モデル計算を組み合わせた複合的理論手法により、ユビキタス元素によって構成される配列ナノ空間物質における、配列突間の多様性と内部空間の自由度を活用した新機能発現の可能性を理論的に調べている。 (1)アルカリ金属を吸蔵したゼオライトLTAについて、これを超原子描像に基づいてモデル化した際に、スピン軌道相互作用がどの程度の大きさになるかを評価した。その結果、この系のフェルミ面近傍の電子状態はアルカリ金属クラスターのs電子から構成されるにも関わらず、スピン軌道相互作用が低エネルギーの物理に重要な役割を果たす可能性があることがわかった。スピン軌道相互作用がバンド幅との比で4d,5d遷移金属原子と同等になりうることも判明した。 (2)領域内で発見された世界初の芳香族超伝導体である結晶ピセンについて、ドープされたアルカリ金属が結晶内のどこに配置されるか、その結果電子状態がどのように変化するかを第一原理計算の方法で調べた。特に後者については、アルカリ金属によるドーピングの効果が必ずしもrigid band shiftの描像で捉えられないことを見いだした。 (3)ナノ空間物質における超伝導を非経験的に議論するため、密度汎関数理論の拡張である超伝導密度汎関数理論のコード開発に着手した。Al,Pb,Nbなどの単純金属において、実験とよく整合する転移温度が再現されることがわかった。
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