2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | New Materials Science Using Regulated Nano Spaces -Strategy in Ubiquitous Elements |
Project/Area Number |
19051017
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
金山 敏彦 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, ナノ電子デバイス研究センター, 研究センター長 (70356799)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多田 哲也 独立行政法人 産業技術総合研究所, ナノ電子デバイス研究センター, 研究チーム長 (40188248)
宮崎 剛英 独立行政法人 産業技術総合研究所, 計算科学研究部門, 主任研究員 (10212242)
内田 紀行 独立行政法人 産業技術総合研究所, ナノ電子デバイス研究センター, 特別研究員 (60400636)
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Keywords | 原子分子処理 / ナノ材料 / 超薄膜 / クラスター / シリコン / レーザアブレーション |
Research Abstract |
本研究は、シリコンの配列ナノ空間の内部に遷移金属原子を配置することにより、半導体物質を形成できること、および、その物質を用いて電界効果トランジスタ動作、即ち、外部電界による伝導度変調が行えることを実証することを目的とする。前年度の研究により、シラン(SrH_4)ガス中で遷移金属をレーザアブレーションする方法で遷移金属内包シリコンクラスターを合成し、それを基板上に堆積することで、半導体薄膜が形成できることが明らかになっている。今年度は、この遷移金属内包シリコンクラスターを単位構造とする半導体薄膜の膜質の向上を目標とした。そのために、X線光電子分光(XPS)、ラマン散乱分光などを用いた組成と構造の解析、電気伝導度およびキャリア濃度と光吸収スペクトルの測定を行った。これによって、膜中の欠陥準位密度を低減させ、キャリア濃度の低減と移動度向上のための、形成条件を明らかにした。また、第一原理計算による当該物質の構造・物性の解析を系統的に行い、研究の指針を得た。具体的な成果としては、遷移金属元素を内包したシリコンクラスター(Msi_s:M=,Mo,Nb,W)を凝集することで、局所電子状態の揺らぎを抑え、水素化アモルファスシリコンよりも、P型で3000倍、N型で10倍程度、高移動度なアモルファス半導体を作製することができた。また、Wsi_nを凝集した膜のX線吸収スベクトルを測定し、第一原理計算シミュレーションと比較することで、膜の局所構造が、Wsi_nクラスターで形成されていることを示すことができた。特に、Si系のアモルファス半導体の高移動度化を図り、薄膜トランジスタや太陽電池などのアプリケーションの可能性を示したことの意義、重要性は高い。
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