2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Novel States of Matter Induced by Frustration |
Project/Area Number |
19052001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
有馬 孝尚 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (90232066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 幸男 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (80127274)
石原 純夫 東北大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (30292262)
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Keywords | 強相関電子系 / 磁気記録 / 磁性 / 低温物性 / 強誘電体物性 |
Research Abstract |
1.RMn205の系では、サイクロイド磁性による電気分極発現機構とは異なる機構が提唱されており、結論が出ていなかった。大型の単結晶を育成し、同一試料での誘電率・電気分極の測定および中性子回折測定を行い、磁気構造と電気分極の関係性を調べた結果、サイクロイド磁性による電気分極に併せて、温度領域によって交換歪みによる電気分極が重畳していることが分かった。 2.磁気強誘電性を示すMnWO4について、原子内d-d遷移における磁気光学効果を利用することで、多分域構造を可視化した。これにより、180度分域壁が確認された。 3.らせん磁性強誘電体における電気磁気分域壁の構造と、電気分極フロップのダイナミクスについて明らかにするため、斜め方向の磁場印加により電気分極が回転する向きについてその微視的な機構について実験を行った。これにより、分域壁がらせんの伝搬ベクトルに垂直であると考えられることが分かった。また、物質によって、分域壁の厚みが異なり、それが磁気誘電率の大きさに関係することが分かった。 4.電荷秩序により電気分極が発生する電子型強誘電体の代表例としてk型の(BEDT-TTF)2Xにモンテカルロ法、汎関数繰り込み群法を適用した理論研究を行った。その結果、温度や物質パラメータによる相競合効果が明らかになった。 5.有機Pd錯体の一種について、中性イオン性転移が二段階で起きることを発見するとともに、その電荷配列パターンをX線回折によって明らかにした。その結果、電荷のフラストレーションが効いていることが分かった。また、低温のイオン性相では二量体化がなく、磁気的に活性であることが分かった。
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Research Products
(44 results)