2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Novel States of Matter Induced by Frustration |
Project/Area Number |
19052006
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
川村 光 Osaka University, 大学院・理学研究科, 教授 (30153018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 年史 大阪大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (80207183)
吉野 元 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教 (50335337)
萩原 亮 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (70198654)
出口 博之 九州工業大学, 工学部, 教授 (30192206)
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Keywords | フラストレーション / カイラリティ / フラストレート磁性 / スピングラス / カイラルグラス / 超伝導セラミックス / 異常ホール効果 / モンテカルロシミュレーション |
Research Abstract |
カイラリティとは、秩序状熊の構造が局所的に右手系か左手系かを表す自由度として定義される。固体・統計物理の分野でも、フラストレート系研究の急速な進展に伴い、フラストレーションの効果がしばしばカイラリティ自由度を誘起すること、かつ生起されたカイラリティが系の諸物性に新奇な効果を及ぼすことが明らかになってきた。21年度は、カイラリティ秩序の理論面に関しては、スピングラスのカイラリティ機構の基本仮定であるスピン-カイラリティ分離を大規模数値シミュレーションによって確認することに成功した他、磁場中の2次元異方的ジョセフソン結合系においても同様の現象を新たに見出した。スピングラスのカイラリティ秩序の実験研究に関しては、磁気異方性を制御したカノニカルスピングラス試料に対するホール係数の精密測定を行って信号の磁気異方性依存性に関する依存性を定量的に評価し、ホール係数の理論結果との間に良い一致を見た。また超伝導セラミックスのカイラルグラス相探索の実験に関しては、高品質YBCOセラミックス試料の電気伝導を電流-電圧測定を行い、グレイン間カイラルグラス転移温度においても線形抵抗が有限値にとどまっていることを示唆するデータを得た。次年度以降の精密測定により、より信頼性の高いデータ取得を目指す予定である。
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Research Products
(14 results)