2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Novel States of Matter Induced by Frustration |
Project/Area Number |
19052006
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
川村 光 大阪大学, 理学研究科, 教授 (30153018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 年史 大阪大学, 理学研究科, 准教授 (80207183)
吉野 元 大阪大学, 理学研究科, 助教 (50335337)
萩原 亮 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (70198654)
出口 博之 九州工業大学, 大学院・工学研究院, 教授 (30192206)
小野田 繁樹 独立行政法人理化学研究所, 吉崎物性理論研究室, 専任研究員 (70455335)
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Keywords | フラストレーション / カイラリティ / フラストレート磁性 / スピングラス / カイラルグラス / 超伝導セラミックス / 異常ホール効果 / モンテカルロシミュレーション |
Research Abstract |
カイラリティとは、秩序状態の構造が局所的に右手系か左手系かを表す自由度として定義される。固体・統計物理の分野でも、フラストレート系研究の急速な進展に伴い、フラストレーションの効果がしばしばカイラリティ自由度を誘起すること、かつ生起されたカイラリティが系の諸物性に新奇な効果を及ぼすことが明らかになってきた。23年度は、強い次近接以降の相互作用を持つ3角格子ハイゼンベルグ反強磁性体の秩序化の理論的研究を進め、多様な多重Q秩序がフラストレーションのために磁場中で安定化されることを見出した。特に、その中のtriple-Q状態は、カイラリティがトポロジカル量子化された励起である"スカーミオン"が結晶格子を組んだ"スカーミオン格子"相になっていることを明らかにした他、このスカーミオン格子相においては顕著な異常ホール工が観測されることも数値的に確認した。スピングラスにおけるカイラリティ秩序に関しては、容易面的異方性を持ったXY型の3次元スピングラス、4次元のハイゼンベルグスピングラスの大規模数値シミュレーションを行い、秩序相が1RSB的なレプリカ対称性の破れを伴っていることを明らかにした。また歪んだカゴメ格子上のハイゼンベルグモデルの秩序化を理論的に探索し、歪んだ系特有の一次転移が有限温度で起きること、またカイラル、・ドメインウォールやZ2渦が転移の起源になっていることを見出し、ボルボース石等の歪んだカゴメ格子磁性体が示す相転移現象との関連を議論した。
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Research Products
(16 results)