2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Nano Materials Science for Atomic Scale Modification |
Project/Area Number |
19053002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 剛久 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (20220478)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 剛 東京大学, 物性研究所, 助教 (80345230)
枝川 圭一 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (20223654)
杉山 正和 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (90323534)
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Keywords | 薄膜 / SrTiO3 / PLD / ナノ機能元素 / 電子状態 / HRTEM / EDS / EELS |
Research Abstract |
初年度である本年度は、・STO単結晶基板表面の原子構造制御、・新規PLD装置の整備、・PLD法によるSTO薄膜の作成、および、・転位電気伝導特性の評価、を行った。STO単結晶を1000〜1200℃において熱処理することにより表面の原子レベルの平坦性を有したステップ構造を形成させ、そのステップ高さおよび表面終端原子面の直接観察、および、その電子状態分析を行った。その結果、ステップ構造はドーパント種を変えることにより制御可能であることを見出した。このドーパント効果は、STO単結晶中において生じるSr,Tiの空孔形成エネルギーがドナー、もしくは、アクセプターにより変化することに起因するものと考えられる。無添加STO単結晶では、表面近傍の領域においてTiの組成が上昇することが見出された。電子線回折よりこの領域はペロブスカイト型構造を有していることが確認され、このTi組成の増加はSr空孔が導入されているものと考えられる。電子エネルギー損失分光法によりこの領域においてはSr空孔に起因した電子状態が存在することが確認できた。また、終端原子面はSrレイヤーとなった。一方、この試料にNbをわずか添加したところ、このSr空孔領域が減少するともに明瞭なSrレスの領域の形成がされなくなることが明らかとなった。カチオン比を制御したSTO薄膜の構造評価および電気特性評価を行いカチオン比の変化に伴いその伝導特性が系統的に変化することを見出した。また、化合物半導体単結晶に転位を導入し、その転位中での電気伝導の直接観察に成功した。
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Research Products
(18 results)