2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Nano Materials Science for Atomic Scale Modification |
Project/Area Number |
19053008
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
谷口 尚 独立行政法人物質・材料研究機構, 先端材料プロセスユニット, グループリーダー (80354413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂口 勲 独立行政法人物質・材料研究機構, 光・電子材料ユニット, 主幹研究員 (20343866)
大橋 直樹 独立行政法人物質・材料研究機構, 環境・エネルギー材料部門, 部門長 (60251617)
吉田 英弘 独立行政法人物質・材料研究機構, 先端材料プロセスユニット, 主幹研究員 (80313021)
平賀 啓二郎 独立行政法人物質・材料研究機構, 先端材料プロセスユニット, NIMS特別研究員 (80354190)
和田 芳樹 独立行政法人物質・材料研究機構, 光・電子材料ユニット, 主幹研究員 (90343847)
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Keywords | 機能元素 / 立方晶窒化ホウ素 / 酸化物焼結体 / 高圧合成 / カチオンドーピング / 希土類元素添加 |
Research Abstract |
・機能附活元素の高圧下ドーピング制御によるワイドギャップ窒化物の特性発現 立方晶窒化ホウ素(cBN)及び窒化アルミニウム(AlN)への希土類元素(Eu,Tb,Ce等)の添加効果を明らかにした。発光スペクトルの解析によるAlN中のEu3+の配位環境の評価、計算科学・超微細構造評価によるcBN及びAlN中へのCe3+の配置を評価した。イオン半径の大きなCeイオンは、cBN中の窒素サイトを置換し、同時に周囲のホウ素欠損を伴う複合欠陥構造を形成することが見出された。 高純度cBN焼結体の粒界構造を高分解能透過型電子顕微鏡観察により評価し、粒界構造と機械的特性の相関において、酸素不純物の影響を明らかにした。 ・機能附活元素設計による多機能酸化物の創製 難焼結性のY203の焼結性向上を目指した機能元素の探索を行い、Ni2+やZn2+のドーピングによりY203の焼結温度を300℃~400℃以上低減させる効果があること、特に、Zn2+添加は焼結性の向上だけでなく、結晶粒微細化の効果もあることを見出した。焼結性への機能元素の効果は元素種に依存し、必ずしもイオン価数だけでは整理できないことを明示した。Y203では粒内・粒界拡散のいずれもY3+イオンが律速イオン種とされていることから、機能元素はY203におけるY3+の粒界・粒内拡散を促進または抑制する効果があり、そのためY203の焼結緻密化も促進または抑制されたものと推測される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進展している ・機能元素の賦活による新たな機能発現として、立方晶窒化ホウ素単結晶への発光センターの評価を行い、サイズミスフィットの大きなカチオンドーパントが、マトリックスのカチオンサイトの置換と、周囲のアニオンの欠損により実現できることが明らかとなった。強い結合を有するマトリックス中への機能元素の添加の自由度を拡張する上で重要な知見が得られたことになる。 ・難焼結性セラミックスへのカチオンドーピングにより、焼結性の向上、微細構造の評価が可能となった。新規の機能性セラミックス創製における有用な知見が得られたことになる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究で用いた、マトリックス中への機能元素の配置状態の解析手法を多様な系に適用することで、その配意環境の理解を進めると共に、より高機能化を目指した配意環境場の制御手法を確立することが次なる重要な課題である。 本研究で獲得した、難焼結性セラミックスへのカチオンドーピングに焼結性制御技術を多様なセラミックス材料、機能性セラミックスの創製に広く展開したい。
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Research Products
(21 results)