2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Carbon nanotube nanoelectronics |
Project/Area Number |
19054002
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
岡田 晋 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 准教授 (70302388)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
押山 淳 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (80143361)
大谷 実 産業技術総合研究所, 計算科学研究部門, 研究員 (50334040)
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Keywords | ナノチューブ / 欠陥 / 内包物質 / ナノグラファイト / 磁性 |
Research Abstract |
量子論に基づく全エネルギー計算の手法を用いて、ナノチューブ、フラーレンをはじめとする炭素ナノ構造物質群の物質設計と物性解明、ならびに実験的に合成がなされた新規な炭素ナノ構造物質の構造予測・物性解明を行った。今年度は、太いチューブに対するフラーレン内包の及ぼす影響、がチューブの変形を誘起する事をあきらかにした。また、チューブ内空隙において、フラーレンの重合過程は通常の条件下では起こり得ない事を示した。また、βカロテン、種々の分子を内包したナノチューブにおいて、その振動スペクトルの変調の起源を理論計算からあきらかにした。特に、βカロテン内包ナノチューブでは、ナノチューブの電子構造の違い、すなわち金属、半導体のちがいから、βカロテンとナノチューブの間の電荷移動の有無が生じ、それによって内包物質であるβカロテンの電子構造が大きく変調される事をあきらかにした。さらに、絶縁体基板上に吸着された半導体ナノチューブのエネルギー論と電子状態の解明を行った。その結果、絶縁体上ではチューブの吸着位置がそのエネルギー安定性を大きく左右する事をしめした。すなわち、絶縁体基板上において報告されている、ナノチューブ配向成長の起源をあきらかにした。また、絶縁体注に形成された、非結合性ボンドは、ナノチューブの発光を妨げる、非発光の結合中心として振る舞う事があきらかになった。これらの結果は、本特定において目的としている、ナノチューブのエレクトロニクス応用において、非常に重要なものである。
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