2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Carbon nanotube nanoelectronics |
Project/Area Number |
19054005
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
齋藤 晋 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 教授 (00262254)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
是常 隆 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (90391953)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 不純物ドープ / 密度汎関数理論 |
Research Abstract |
カーボンナノチューブナノエレクトロニクス研究の中心課題である、ナノチューブの電子デバイス応用に向け、昨年度に引き続き、半導体チューブに対するキャリアドープを目指した置換不純物導入におけるエネルギー論・電子物性予測研究を展開した。ホウ素ドープの場合、ナノチューブの直径が小さくなるにつれて不純物準位が深くなる傾向が見出された。他方、窒素ドープでは、細いチューブの伝導帯を構成する電子状態の特異性から、その不純物状態が空間的に大きく広がる場合があることが判明した。これは、細いチューブにおいて、自由電子的状態のエネルギーが大きく低下し、ギャップ中にまで下りてくることが原因である。その様な場合、不純物準位がギャップ中の浅い位置に現れることも判明した。カーボンナノチューブにおいて電子をキャリアとするn型半導体を構築する際、その直径により多様な性質が現れることを示す結果であり、大変興味深い。今年度は、さらに、ナノデバイスの配線材料として着目される金属ナノチューブの典型であるアームチェアナノチューブに関して、その電子物性の基本物理量である仕事関数の予測研究を展開した。その結果、幾何構造の最適化を行うことが、仕事関数を含む電子物性予測に非常に重要であること、そして、グラフェンの仕事関数値よりも、アームチェアナノチューブの仕事関数の値の方が、直径によらず常に少し大きな値を取ることを見出した。他方、構造最適化を行わないで予測すると、細いチューブで仕事関数が小さくなるという結果を与えてしまう。
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Research Products
(12 results)