2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Carbon nanotube nanoelectronics |
Project/Area Number |
19054013
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
安食 博志 Osaka University, 工学研究科, 特任教授 (60283735)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤井 久純 大阪大学, 理学研究科, 教授 (70124873)
笠井 秀明 大阪大学, 工学研究科, 教授 (00177354)
広瀬 喜久治 大阪大学, 工学研究科, 特任教授 (10073892)
草部 浩一 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (10262164)
森川 良忠 大阪大学, 工学研究科, 教授 (80358184)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 第一原理計算 / 電子状態 / 電子輸送 / 界面 / 輻射力 |
Research Abstract |
新型多機能ナノチューブデバイスの提案に向けて,以下のような成果が得られた. ・ ナノチューブの励起子共鳴励起を利用した輻射力について、電子状態のwarping効果を取り入れて計算した。その結果、ナノチューブの直径だけでなくカイラリティにも選択的に強い輻射力がはたらくことを示した。 ・ 実験(東大・丸山研)グループとの共同研究として、垂直偏光の準暗励起子と明励起子の振動子強度比からカイラリティに依存した電子と正孔のバンド非対称性の度合いを定量的に明らかにした。 ・ グリーン関数法を用いて高精度にナノチューブの電子状態を計算するため、外側と内側に空原子からなるチューブを付け加えることにより信頼のおける計算を可能にした。この手法を用いてボロンあるいは窒素で不規則にドープしたナノチューブの電子状態計算と電気伝導度計算を実施した。 ・ 金属表面上の単層チューブについて、最安定構造と電気伝導度の半径依存性を第一原理計算により調べた。 ・ Fe原子内包単層ナノチューブには過酸化水素が解離吸着し、その結果生じたヒドロキシル基がナノチューブに強く結合し、ナノチューブの炭素間結合を弱めることを明らかにした。 ・ グラフェン電極間に挟まれたグラフェンナノフレークのスピン輸送特性を調べ、遷移金属系の材料に匹敵する強いスピン分極を明らかにした。 ・ 遷移金属や酸化物の吸着によるチューブ壁改質効果を調べ、ナノチューブFETのチャンネル改質のための欠陥導入法とその保護試薬を理論設計した。遷移金属原子吸着によるチューブ壁開裂を見つけ、力学変形や歪場導入で大幅な活性上昇を確認した。これにより金属・チューブ界面の理解も進めた。 ・ 半経験的ファンデルワールス相互作用補正項を含めた有機/金属界面のプログラムを開発し、界面の構造と電子状態を精度よく予測することを可能にした。この手法を用いてナノチューブ/金属界面の研究を開始した。
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Research Products
(23 results)