2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Carbon nanotube nanoelectronics |
Project/Area Number |
19054014
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
秋田 成司 Osaka Prefecture University, 工学研究科, 教授 (60202529)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 喜萬 大阪大学, 工学研究科, 教授 (20128771)
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Keywords | ナノチューブ・フラーレン / 電子顕微鏡 / ナノマシン / 超精密計測 / 格子欠陥 / 塑性変形 / 電気伝導 / 接合 |
Research Abstract |
本研究ではナノチューブ(CMT)のナノメカニクスの動的過程を解明するという観点から、1)機械的エネルギーの散逸機構の解明、2)熱伝導および格子振動の伝搬の解析、3)CNTの塑性変形や接合の動的過程の解明、4)CNTのトポロジカルな欠陥の動的過程と電気伝導の関係を明らかにすることを目的とし、本年度は以下の研究を実施した。 1. カーボンナノチューブの機械的エネルギー散逸機構 : 片持ち梁構造のナノチューブが共振時の振動スペクトルを電子顕微鏡および光学顕微鏡用低温ステージを用い低温で計測し、機械的なエネルギー散逸が低温で抑圧されるがヤング率の変化が小さいことから音速(フォノンの平均速度に相当)の温度依存性は小さいことがわかった。 2. 格子振動の伝搬 : 通電過熱下における定常状態の温度解析を行うために顕微分光用チャンバを製作し昇華温度の変化を調べた。光学的観察からCNT・電極の接触抵抗が問題になることがわかった。放射光はナノチューブ軸方向に偏光しているがスペクトルの角度依存性は無いことが明らかになった。 3. 分子動力学解析 : エネルギー散逸について古典的なポテンシャルを用いた分子動力学計算を行い、温度の影響について検討した。また、ナノカプセル輸送に関しての分子動力学計算から捕獲脱出過程には温度の影響があること、また、振動にはvan der Waals力とカプセルの質量が関連することを明らかにした。 4. 塑性変形・接合のダイナミクス : 1本のナノチューブの温度を測定しながら透過型電子顕微鏡(TEM)による観察を行なえるように、熱放射スペクトル測定系の構築・調整を行った。また、ナノチューブ内のナノカプセルの輸送現象について、カプセルの移動回数は高温になるほど増え、その機構が熱エネルギーであることが確認された。 5. ナノチューブの欠陥と電気伝導 : 1本のナノチューブを通電加熱しながら引っ張り応力を加えてわずかに伸び変形させた時の、変形前後でのカイラリティの微小変化を電子回折によって捉えることができた。
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Research Products
(17 results)