2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Carbon nanotube nanoelectronics |
Project/Area Number |
19054014
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
秋田 成司 Osaka Prefecture University, 工学研究科, 教授 (60202529)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 喜萬 大阪大学, 工学研究科, 教授 (20128771)
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Keywords | ナノチューブ・フラーレン / 電子顕微鏡 / ナノマシン / 超機密計測 / 格子欠陥 / 塑性変形 / 電気伝導 / 接合 |
Research Abstract |
1. カーボンナノチューブの機械的エネルギー散逸機構:片持ち梁構造のナノチューブが共振している際の振動スペクトルの温度依存性を計測し、vdW界面および欠陥の影響について詳細に検討した。また、単層や2層ナノチューブの両持ち梁構造の振動の温度依存性を電気的に検出できる測定系を構築した。 2. 格子振動の伝搬:赤外顕微分光系により通電加熱時の到達温度の過渡変化について検討を始めた。その結果、100ns以下の高速応答することがわかった。これ以下の時定数に対応するために試料構造の検討が必要なことが明らかになった。 3. 分子動力学解析:エネルギー散逸について古典的なポテンシャルを用いた分子動力学計算を行い解析した。温度依存性および欠陥量依存性について検討した結果、ヤング率の温度依存性が実験結果と定性的に良い一致を示した。 4. 塑性変形・接合のダイナミクス:昨年度TEM内に構築した熱放射スペクトル計測装置を用いて、1)CNTのオイラー座屈を解消し、曲げ角の大きい塑性変形を導入するプロセスと、2)曲げ角の小さい塑性曲げ変形が緩和して直線にするプロセス、それぞれに必要な温度の測定に成功した。これらからそれぞれの活性化エネルギーを5.4~6.1eVおよび5.8eVと見積もれた。ナノカプセル輸送について、外部電場によってカプセルが動く現象を見いだした。CNT撚糸について、CNT同士の密着性、撚り角、接触長さと引張強度との関係についてデータ蓄積を行った。また、接合について、太いCNT先端に細いCNTを接合形成する条件探索を行った。 5. ナノチューブの欠陥と電気伝導:ナノチューブ延伸塑性変形について、5-7欠陥伝播によるカイラリティ変化の理論解析から、延伸による捻れ歪みが残るほどに欠陥の伝搬距離は短いことが推察された。これにより金属-半導体-金属接合形成の可能性が示唆された。
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Research Products
(36 results)