2007 Fiscal Year Annual Research Report
機能性カーボンナノチューブの光物性評価に関する研究
Project Area | Carbon nanotube nanoelectronics |
Project/Area Number |
19054015
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
本間 芳和 Tokyo University of Science, 理学部, 教授 (30385512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳永 英司 東京理科大学, 准教授 (70242170)
千足 昇平 東京理科大学, 助教 (50434022)
市田 正夫 甲南大学, 理工学部, 准教授 (30260590)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 光物性 / ナノデバイス / 非線光学応答 / フォトルミネッセンス |
Research Abstract |
単層カーボンナノチューブ(SWNT)の特異な光学特性をデバイスに応用するために、その発光や非線形光学応答、磁気光学効果を解析し、デバイス応用への基本指針を得ることを目的として研究を進めた。 SWNTの発光に対する環境効果に関しては、エタノールガスをモデルとして、SWNTの光応答に対する分子吸着の効果を調べ、SWNT表面への分子吸着層の形成によって光学遷移エネルギーが急激にシフトすることを見いだした。これは分子吸着層の形成による誘電率変化に対応するもので、発光現象を用いてSWNTのナノ表面における分子吸着のダイナミクスを探ることが可能になった。また、分子吸着の影響は大気中のSWNTにも生じており、分子吸着の遷移圧力以下の真空中でのみ、SWNTに固有の光学遷移エネルギーを得られることを明らかにした。(本間、千足) 光学非線形応答については、種々のSWNTの計測を通じて、3次非線形感受率χ(3)が、SWNTの直径やSWNT中の欠陥濃度に依存すること、その増大効果はSWNTの寿命と同じ傾向にあることなどを明らかにした。また、発光の圧力依存性から、SWNTの励起子-格子相互作用が直径に依存して変化し、それが、励起子の寿命や非線形性に影響を及ぼしていることを見いだした。さらに、位相緩和時間の測定を行い、それが数百fsのオーダーであることを明らかにした。(市田) SWNTの光応答に対する磁場・電場変調効果の研究では、新しい計測技術の開発を進め、0.5-1Tで数10Hzの交流磁場を印加できる磁場変調吸収分光装置を開発した。また、光熱偏光分光法を導入し、透過光が測定できない高密度CNT試料について吸収スペクトルの測定を可能にした。(徳永) 以上のように、分子吸着による環境効果の発見、光学非線形応答に対するSWNTの直径や欠陥濃度の影響の解明など、SWNTの光学応答の理解と応用に有用な成果を得た。
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Research Products
(7 results)