2007 Fiscal Year Annual Research Report
機能性カーボンナノチューブを用いた量子ナノデバイスの開発
Project Area | Carbon nanotube nanoelectronics |
Project/Area Number |
19054016
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
石橋 幸治 The Institute of Physical and Chemical Research, 石橋極微デバイス工学研究室, 主任研究員 (30211048)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
落合 勇一 千葉大学, 工学部, 教授 (60111366)
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Keywords | 単層カーボンナノチューブ / 量子ドット / 単電子デバイス / トンネル障壁 / レーザーアブレーション法 |
Research Abstract |
カーボンナノチューブの超微細な直径は、先端リソグラフィーで作製が困難なナノスケールデバイスにとって魅力的である。本研究では、主として単層カーボンナノチューブを量子ドットとして用い、単電子デバイスや量子コンピューティングデバイス等の新機能ナノデバイスへの応用を目指す。単層カーボンナノチューブを量子ドットデバイスに応用するためには、デバイスプロセスに関していくつか克服しなければならない課題がある。それらは、カイラリティーの制御、成長位置、配向制御、トンネル障壁の制御、オーミックコンタクトの制御、品質の向上をあげることができる。これらのなかには解決が決して容易ではないものもあるが、まず、トンネル障壁の制御、品質の検討から研究を始めた。これまで、カーボンナノチューブ量子ドットの作製には、1本のナノチューブ上に単に金属電極を乗せることにより形成されてきたが、この方法はデバイスプロセスとしての信頼性、制御性がない。そこで、本年度は制御されたトンネル障壁を形成するプロセスの開発を重点的に行った。具体的には、カーボンナノチューブに高分子を巻き付けることで、それをトンネル障壁として用い、障壁高さを上昇させることができた。これにより、トンネル障壁を越える電流を制限することができ、単電子動作をこれまでより高温で観測することができた。また、これまでほとんど着目されていなかった高品質な量子ドットとなるためのナノチューブの製法について検討を行い、統計的な結果ではあるが、レーザーアブレーションで作製したカーボンナノチューブが他の方法で作製したものよりも優れているのではないかという傾向を得た。したがって、今後はレーザーアブレーション法で作製されたナノチューブを用いてナノデバイス開発を行う。
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