2009 Fiscal Year Annual Research Report
核融合炉ブランケット材料中のトリチウム-材料相互作用に関する研究
Project Area | Tritium Science and Technology for Fusion Reactor |
Project/Area Number |
19055001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
寺井 隆幸 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授 (90175472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 晶大 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (80332188)
田中 照也 核融合科学研究所, 炉工学研究センター, 助教 (30353444)
星野 毅 日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究員 (80370469)
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Keywords | ブランケット / トリチウム / 増殖材料 / 中性子照射 / コーティング |
Research Abstract |
核融合炉ブランケットにおいて安全かつ最適化されたブランケットシステムを構築するためには、トリチウム増殖材料中での移動メカニズムを解明する事が重要である。本計画研究では、近年特に注目されている液体トリチウム増殖材料を中心に、それらの内部、表面、及びその近傍におけるトリチウム挙動について学術的基盤を構築することを目的として5年間の計画を実施している。平成21年度は、各種トリチウム増殖候補材料におけるトリチウム及び水素同位体挙動の解明を引き続き進めた。液体金属増殖材料候補である液体リチウムについては、東京大学原子炉「弥生」のサーマルコラムにおいて、溶融状態で中性子照射を実施して内部にトリチウムを生成させ、純鉄壁を透過して放出されるトリチウムの漏えい速度係数の測定を行った。速度係数は水素及び重水素で行った試験から予測される濃度依存性とほぼ同様の結果を示し、同じメカニズムで漏えいしている事が確認された。液体金属増殖材料候補である溶融リチウム鉛合金については、平成22年度に放出試験を実施する準備として、照射用自然対流ループシステムに合金を装荷し、弥生炉のサーマルコラムにおいて低温状態での照射を実施した。配管や壁からのトリチウム漏えい速度を大幅に低減するためのセラミックコーティング試作と重水素透過試験研究については、重水素透過において透過の上流側と下流側に設置したコーティングによる透過抑制機構が異なる事を高精度に明らかにした。溶融塩増殖材料候補であるフッ化リチウムフッ化ベリリウム混合溶融塩(Flibe)については、電気化学法による純化と電気分解を実施し、Flibe中に含まれる非金属不純物挙動についての基礎的知見を得た。また、固体増殖材料については、リチウムタイタネートを対象とし、トリチウム放出に深く関わる酸化還元状態変化を模擬した試料の作成法の検討を引き続き進めた。
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Research Products
(28 results)