2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Tritium Science and Technology for Fusion Reactor |
Project/Area Number |
19055002
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
波多野 雄治 University of Toyama, 水素同位体科学研究センター, 教授 (80218487)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥養 祐二 富山大学, 水素同位体科学研究センター, 准教授 (80313592)
大矢 恭久 静岡大学, 理学部, 准教授 (80334291)
小田 卓司 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (40436556)
中村 博文 日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究副主幹 (20354615)
朝倉 大和 核融合科学研究所, 安全管理センター, 教授 (00342642)
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Keywords | 核融合 / トリチウム / 水素 / 放射性同位体 / 放射線 / 同位体効果 / 透過 / 除染 |
Research Abstract |
トリチウムに汚染させたステンレス鋼からの室温近傍におけるトリチウム放出を詳細に調べ、(1)トリチウム放出速度がバルク中の拡散過程により律速される、(2)表面にトリチウム濃縮層が形成される、(3)主な放出化学形は内部被曝の危険性が高い水蒸気状である、などの点を明らかにした。一方、バナジウムについても同様に放出挙動を調べたところ、顕著なトリチウムの表面濃縮は観察されず、加えて拡散係数が7桁大きいにもかかわらずステンレス鋼より小さな放出速度を示した。これらの結果より、汚染材料からのトリチウム放出を理解するには、表面酸化膜中におけるトリチウムの存在状態と表面濃度・脱離速度との関係、および金属中では原子状で存在するトリチウムの水蒸気状への化学形変化メカニズムを解明することが必要不可欠であることを見出した。このような酸化膜中の水素同位体挙動をモデリングするための第一段階として、密度汎関数法に基づく金属酸化物-水素系での振動数計算・エネルギー計算の妥当性を確かめた。また、分子動力学用ポテンシャルモデルの効率的な構築法を提案し、いくつかの酸化物を例に取りその有効性を確認した。高温配管からのトリチウム透過を抑制する技術としては透過防止障壁膜に注目し、配管材料と熱膨張率が近いZrO_2やMgOをゾルゲル法などにより成膜する技術の開発研究を展開した。透過トリチウムの化学形に及ぼす雰囲気中の水蒸気の影響を調べるための参照材料として金にも注目し、第一段階として金メッキした鉄鋼材料を通しての真空中への重水素透過挙動を調べた。加えて、大型核融合装置中でのトリチウム挙動を調べると共に、実験室で得られるデータの実機への適用性を評価するテストスタンドとして核融合科学研究所・大型ヘリカル装置LHDに着目し、同装置内におけるトリチウム捕集・計測に関する要素技術研究を行った。
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Research Products
(21 results)