2007 Fiscal Year Annual Research Report
トリチウムの閉じ込めに関わる高濃度トリチウム水及び有機物の化学的現象の解明
Project Area | Tritium Science and Technology for Fusion Reactor |
Project/Area Number |
19055009
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
山西 敏彦 Japan Atomic Energy Agency, 核融合研究開発部門, 研究主席 (30354616)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 巧 日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究主幹 (70354678)
岩井 保則 日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究副主幹 (70354610)
原 正憲 富山大学, 水素同位科学研究センター, 講師 (00334714)
杉山 貴彦 名古屋大学, 工学部, 准教授 (90353440)
奥野 健二 静岡大学, 理学部, 教授 (80293596)
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Keywords | トリチウム水 / 化学反応 / 閉じ込め / 透過漏洩 / 同位体分離 / 有機トリチウム |
Research Abstract |
本計画研究では、高濃度トリチウム(T)水及び有機物の化学的現象の解明を目的に、T水及び有機Tの機能的閉じこめ、T水及び有機Tが物理的閉じこめ障壁に与える影響の研究により、核融合炉の安全に係わるデータベースを構築するものである。本19年度においては、高濃度トリチウム水が物理的閉じ込め障壁に与える影響として、容器材料のトリチウム水による腐食に注目し、放射線分解による生成物の分析、液性の経時変化について、これまでの成果をレビューし、研究計画を構築した。また、金属表面(純鉄)からの水・水蒸気へのトリチウム移行挙動を測定し、初期に水素として、時間の経過と共に水として移行するという複雑な挙動を見い出した。ステンレス綱のトリチウム透過現象研究に関しては、ステンレス鋼にイオン注入された重水素の脱離挙動を測定し、金属表面に形成される酸化膜の状態に大きく影響されること、酸化被膜形成に温度依存性があることを見いだした。有機物とトリチウムの相互作用に関する研究に関しては有機膜におけるトリチウム水蒸気の透過挙動を調べるために、透過実験装置を製作し、今後の実験計画を構築した。トリチウム水の機能的閉じ込めに関しては、固体電解質を用いた高濃度トリチウム水電解において、電極での反応が性能に大きな影響を与えることを明らかにした。トリチウム水の機能的閉じ込めの中心となる水-水素化学交換法による水同位体分離に関しては、二重温度二重圧力水-水素化学交換法を発案し,分離性能を解析により評価した。さらにドイツ・カールスルーエ研究所において、大型(55mmφx2m)化学交換塔を用いたトリチウム分離実験を行いデータを得るとともに、装置の大型化に伴い液分散性に問題が生じることを見いだした。また原型炉での大量水同位体分離が可能な、ゼオライト系吸着材を用いた同位体水分離技術の基礎研究(吸着材の特性測定)を開始した。
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Research Products
(20 results)