2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Molecular Science for Supra Functional Systems ? Development of Advanced Methods for Exploring Elementary Process |
Project/Area Number |
19056006
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
大西 洋 Kobe University, 理学研究科, 教授 (20213803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 建次郎 神戸大学, 理学研究科, 講師 (10437246)
野本 知理 神戸大学, 自然科学系先端融合研究環分子フォトサイエンス研究センター, 学術研究員 (00510520)
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Keywords | 周波数変調型原子間力顕微鏡 / 溶液構造 / 固液界面 / 埋没界面 / 電気二重層 / 二酸化チタン / 酸化アルミニウム / マイカ |
Research Abstract |
カンチレバーの共鳴振動数変化を検出する方式の原子間力顕微鏡(FM-AFM)を用いた固液界面の高分解能観察を進めている。顕微鏡探針にはたらくpNオーダーの力を計測して、固体側の凹凸像ばかりでなく、固体に接する液体の微視的構造を明らかにする方法論の開発である。カンチレバーの変位検出法を改善した顕微鏡装置を用いて、塩化カリウム水溶液(濃度1moll^<-1>)に浸積した二酸化チタン・サファイア・マイカの単結晶面を観察した。顕微鏡探針にかかる力を探針-表面距離の関数として精密計測したところ、単調に減衰しつつ表面から1-2nm沖合までおよぶ背景力に加えて、複数の極大と極小をもつ変動成分が検出された。前者を金属酸化物-水溶液界面の電気二重層が探針-水溶液界面の電気二重層と重なることに起因する斥力に、後者を金属酸化物表面近傍で構造化された溶媒分子が探針におよぼす力に帰属した。後者の力は、探針に接触する水分子が探針にポテンシャルをおよぼすという単純なモデルのもとでは、水分子の存在確率密度分布の勾配に比例する。 二酸化チタン・サファイア・マイカ上で測定した力-距離曲線を、それらの界面で巨視的に観測される親水性の序列と比較したところ、親水性の高い界面ほど水分子が強く構造化することがわかった。有機単分子膜で修飾した固体表面と接触する有機溶媒の計測も進行中であり、FM-AFMによる力学分光が固体-液体界面の構造計測法として一般性をもつことを実証しつつある。次年度には、電気化学的あるいは光化学的に界面反応を進行させて、反応にともなう溶液構造の変化を追跡する。
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Research Products
(30 results)