2007 Fiscal Year Annual Research Report
SFG分光法による有機および生体分子膜界面の電子振動状態の研究
Project Area | Molecular Science for Supra Functional Systems ? Development of Advanced Methods for Exploring Elementary Process |
Project/Area Number |
19056007
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
石橋 孝章 Hiroshima University, 大学院・理学研究科, 准教授 (70232337)
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Keywords | 赤外可視和周波発生分光法 / 電子振動二重共鳴 / 有機分子膜 |
Research Abstract |
赤外光を用いる和周波発生(SFG)分光は、表面界面の振動分光である。SFG分光は二次非線形効果に基づくため、バルクからの信号の妨害を受けずに界面にある分子種だけを選択的にプローブすることができる点が最大の特徴である。本研究の目的は、高次系機能解明のための計測法としてのSFG分光法の可能性を開拓することである。特に電子共鳴条件下の振動SFG分光(電子振動二重共鳴SFG分光)に着目し、界面分子種の電子および振動状態に関する詳細な情報の獲得を目指す。この目的のために本年度は以下の3つの研究を行った。1.SFG分光の実験で安定した測定信号を得るには、入射レーザービームのポインティングの安定性が必要である。ビーム位置を検出しながらミラーの向きを制御し安定化する付加装置を自作し、現有するSFG分光装置の長時間安定性を向上させた。2.D体またはL体の酒石酸分子と共に形成させたポルフィリンのカイラルなJ-会合体薄膜について、電子振動二重共鳴SFG分光による薄膜のキラリティの検出実験を行った。円偏光二色性では検出できなかった厚さ40ミクロンの薄膜のキラリティをSFG分光によって検出することができた。3.異なる鎖長のアルキル鎖でアデニンを固定した数種類の巣分子膜を作製し、芳香族分子に対して感度が高い電子振動二重共鳴IR-UV SFG分光法によってSFGスペクトルを測定した。単分子膜のスペクトルがアルキル鎖長に依存して変化することを見いだした。
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Research Products
(11 results)