2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Cell Proliferation Control |
Project/Area Number |
19057001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中山 啓子 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60294972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 典子 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (10361073)
舟山 亮 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (20452295)
中野 星児 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (00529448)
西田 有一郎 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (00551821)
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Keywords | Geminin / ノックアウトマウス / 細胞周期 / DNA複製 / ES細胞 |
Research Abstract |
Gemininノックアウトマウス胚とコンディショナルノックアウトマウスを用いて、pre-RCによる細胞増殖制御とHoxタンパク質、Polycomb遺伝子群による分化制御との関係を明らかにすることを目標とした。 特に、今年度は造血幹細胞特異的Gemininノックアウトマウスの作製と解析を中心に研究を進めた。 Geminin欠失マウスの骨髄細胞中では長期造血系再構築能をもつ造血幹細胞(LT-HSC)の細胞数がコントロールに比較し約15%に減少しており、GemininはLT-HSCの維持に必要であることが示された。また、Geminin欠失マウスでは骨髄前駆細胞の分画である共通ミエロイド系前駆細胞(CMP)、巨核球・赤血球前駆細胞(MEP)がそれぞれ約50%、3%に減少し、CMP、MEP、顆粒球・マクロファージ前駆細胞(GMP)はいずれもコロニー形成能を消失していた。しかしながら、巨核球は約8倍に増加していた。成熟細胞では血小板が約8倍に増加し、赤血球が約半分に減少していた。このように、造血幹細胞でのGemininの欠失は巨核球・血小板系統への分化を強く誘導し、他の系統への分化を強く阻害した。 この表現型より、骨髄幹細胞は、これまで言われているような多段階を経て巨核球へ分化するのではなく、Gemininの発現量が適当に調節されることで、pre-RCによる細胞増殖制御と転写因子への効果によって、中間段階を経ずに骨髄幹細胞から直接巨核球へ分化することが可能であることを示唆している。
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