2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Cell Proliferation Control |
Project/Area Number |
19057002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大矢 禎一 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (20183767)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 大 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 教授 (30243603)
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Keywords | 出芽酵母 / 細胞壁 / 細胞周期 / 細胞形態 / 画像解析 |
Research Abstract |
本研究課題では、出芽酵母の細胞壁チェックポイントの分子機構を明らかにすることを1つの目的にしている。細胞壁チェックポイントは、細胞壁合成の異常が起こった時に細胞周期を停止する機構のひとつであり、このチェックポイントが働くと細胞はG2期で停止し、M期に進行したことを示すスピンドルの形成が阻害される。我々は細胞表層の状態を監視し情報を核へ伝達するのに、特に細胞壁合成停止条件下において、CLB2の正の転写因子の発現が抑制されるメカニズムについて解析するために、発現調節部位に着目した。細胞壁合成停止条件下において発現が抑制されるFKH1、FKH2、NDD1のプロモーター領域には、HCM1 elementと呼ばれるHcm1p結合領域が共通に存在していた。そこで、プロモーター領域にHCM1 elementをもつ7遺伝子(YHP1、CIN8、DSN1、SPC34、WHI5、GCR1、ABF1)について細胞壁合成停止条件下での遺伝子発現を調べたところ、いずれも細胞壁合成停止条件下で発現が抑制または遅延していた。これらの遺伝子発現はGCR1、ABF1を除き、G1/S期に発現する転写因子であるHcm1pの遺伝子欠損株において転写が抑制または遅延することが報告されている。今回GCR1、ABF1についてもhcm1遺伝子欠損株において発現が抑制されていることを確認した。これらのことから、細胞壁合成停止条件下では、Hcm1pの機能が阻害されており、そのためにHcm1p依存的発現を示す遺伝子の発現が低下したことが示唆された。
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