2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Cell Proliferation Control |
Project/Area Number |
19057002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大矢 禎一 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (20183767)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 大 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 教授 (30243603)
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Keywords | 出芽酵母 / 細胞壁 / 細胞周期 / 細胞形態 / 画像解析 |
Research Abstract |
本研究課題では、出芽酵母の細胞壁チェックポイントの分子機構を明らかにすることを1つの目的にしている。細胞壁チェックポイントは、細胞壁合成の異常が起こった時に細胞周期を停止する機構のひとつであり、このチェックポイントが働くと細胞はG2期で停止し、M期に進行したことを示すスピンドルの形成が阻害される。我々は細胞表層の状態を監視し情報を核へ伝達するのに、特に細胞壁合成停止条件下において、M期サイクリン遺伝子CLB2の正の転写因子の発現が抑制されるメカニズムについて解析するために、発現調節に着目して研究を行ってきている。既に前年度までの解析により、細胞壁合成停止条件下では、S期特異的な転写因子であるHcm1pの細胞内局在変化と活性制御が重要であることを明らかにしてきたので、今年度はHcm1pの核局在と、リン酸化による制御を更に詳しく研究するために、Hcm1pに部位特異的な変異を導入して解析した。リン酸化される候補部位の変異を15種類、核移行に必要な部位の候補の変異を3種類作成して解析した。アッセイ系としては、Hcm1pの核局在変化、in vivoでのHcm1p転写因子活性、チェックポイント停止の有無などを用いた。リン酸化部位についてはあまり顕著な表現型はみられなかったが、核移行に必要な部位は72-79までのアミノ酸残基が重要であることを見いだした。今後さらに複数のアミノ酸置換を導入し、リン酸化を担うキナーゼの分子の同定を行なうことにより、Hcm1pを介した細胞壁チェックポイントの分子機構が詳細に明らかになることが期待される。
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