2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Cell Proliferation Control |
Project/Area Number |
19057005
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
北川 雅敏 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50294971)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 信元 浜松医科大学, 理化学研究所・基幹研究所, チームリーダー (90221689)
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Keywords | ユビキチン / プロテアソーム / GATA / Fbw7 / リン酸化 |
Research Abstract |
哺乳動物において、細胞周期制御分子や分化関連因子等はそれらに固有な質的および量的調節機構によって緻密に制御されており、細胞周期の正確な実行や、正常な発生、増殖、分化、成熟等の過程において必須である。ユビキチンープロテアソーム系は迅速で特異的な分解機構で、基質とそれを認識するユビキチンリガーゼ(E3)、その基質-E3認識に関わる翻訳後修飾やシグナルを明らかにする事は、細胞周期と連動する分化制御の解明に極めて重要である。 H23年度においては、血液細胞の増殖分化を制御するGATA3の量的質的制御機構の解析を行なった。その結果、GATA3はCPD配列を有し、CPD配列がリン酸化されたときにSCF-E3リガーゼの基質認識サブユニットのひとつであるFbw7と特異的に結合すること、そしてその後ポリユビキチン化され、プロテアソームにより分解されること、を見出した。一方、この解析途中で、類縁分子であるGATA2もFbw7と結合する事を見出した。GATA2、GATA3共に造血細胞の増殖分化を制御する類縁分子であるが、機能する分化段階が異なる。造血細胞の増殖分化の制御機構の解明は生物学的、医学的に極めて重要な命題である。H23年度の研究によりFbw7がGATA2、GATA3両者の量的制御の機能的分担をしている可能性が出てきた。GATA2とGATA3の量的バランスの調節機構が明らかになれば、造血細胞の増殖分化の制御機構の解明に大きく貢献できる。よって、追加としてFbw7によるGATA2のユビキチン化とそのシグナルの解析を行うことが重要と判断し、繰越申請を行なった。そして、GATA2もCPD配列を有し、CPD配列がリン酸化されたときにFbw7と特異的に結合して、ポリユビキチン化され、プロテアソームにより分解されることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H23年度の研究において予定どおりGATA3の分解の分子機構を明らかにできたので。さらにH23年度中に新たに類似分子GATA2に関しても類似の機構で制御されている可能性に気付き、繰越申請し、それを証明する事に成功したので
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Strategy for Future Research Activity |
本研究により明らかになったGATA3およびGATA2の分解機構に関する生物学的な意義を明らかにすることが重要となる。そこでFbw7ノックアウトマウスを用いて、造血細胞におけるGATA3およびGATA2の蓄積時期を解析し、GATA3およびGATA2の分解による血液細胞分化における制御についてアプローチする。
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