2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Cell Proliferation Control |
Project/Area Number |
19057006
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐方 功幸 Kyushu University, 大学院・理学研究院, 教授 (80142024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 忠士 東京工業大学, 生命理工学研究科, 准教授 (60262309)
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Keywords | 細胞・組織 / シグナル伝達 / 蛋白質 / 動物 / 発生・分化 |
Research Abstract |
1. 脊椎動物の第二減数分裂中期(Meta-II)での停止は単為発生を防ぐのに重要である。Meta-II停止には細胞分裂抑制因子(CSF)が関わっており、CSFはMos-MAPK経路またはErp1から成るとされてきた。今回、ツメガエル卵のCSFではMos-MAPK経路とErp1が直接的にリンクしていることを明らかにした。まず、Erp1のCSF活性がMos-MAPK経路依存的であることを示した。次に、Mos-MAPK経路下流のp90rskキナーゼがErp1を直接的にリン酸化することを見いだした。さらに、このリン酸化がErp1を安定化・活性化することでCSF活性を示すことを明らかにした。 2.卵の減数分裂周期の進行は、CPEBのユビキチン系に依存した分解により誘導される。しかし、その分子機構については不明であった。今回、ツメガエルCPEBの分解機構を明らかにした。まず、CPEBのN末端に分解に関与するドメイン(TSG motifと命名)を同定した。また、リン酸化されたTSG motifにSCF(βTrCP)ユビキチンリガーゼが結合することを示した。更に、TSG motifのキナーゼとしてPlx1を同定し、Plx1がCPEBの分解に必須なことを示した。 3.ツメガエル卵の受精におけるCdc25Aの翻訳開始機構を明らかにする目的で、Cdc25A mRNAの3'UTR領域に様々な変異を導入し、受精時における同mRNAの翻訳を調べた。その結果、3'UTRに存在する2つのC/Uに富んだ領域が翻訳開始に必須であることが分った。また、この領域にトランスに働く因子が存在することが示された。 4.分担研究:ゼブラフィッシュのMBTにおけるCdk9の活性制御を検討する目的で、発現抑制のためのモルフォリーノオリゴの微小注入で受精直後の卵を処理した。その結果、MBTで転写される少なくとも5つの遺伝子に転写異常が検出され、同時にCdk9キナーゼの標的であるRNAポリメラーゼIIのリン酸化が抑制されていることを示した。
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