2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Cell Proliferation Control |
Project/Area Number |
19057010
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
稲垣 昌樹 Aichi Cancer Center Research Institute, 発がん制御研究部, 部長 (30183007)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 真 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40217774)
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Keywords | チェックポイント / Chk1 / 抗リン酸化抗体 / 14-3-3 / Cdc25A / Tip60 |
Research Abstract |
1) DNA障害チェックポイントの際に引き起こされるChk1のSer296のリン酸化反応について検討を加えた。阻害剤等を用いた解析から、このSer296のリン酸化反応は、ATRによるChk1のSer317/345のリン酸化反応依存性に引き起こされるものの、ATRではなくChk1そのものがそのリン酸化反応を遂行していることが明らかになった。また、14-3-3γがこのSer296の自己リン酸化反応依存性に結合することが明らかになった。Ser296をアラニンに変換したChk1変異体を内在性のChk1と置換したり、14-3-3γをノックダウンしたりした細胞では、紫外線照射後においても、Cdc25Aのユビキチン化および分解が抑制され、かつ、細胞周期の停止機構に障害が認められた。さらに、(Cdc25Aと14-3-3の結合に必要な)Cdc25AのThr507はChk1のリン酸化Ser296および14-3-3γ非依存性にリン酸化されるのに対して、(Cdc25Aのユビキチン化反応を制御している)Ser76のリン酸化反応はこれら2つの因子に依存性に引き起こされることが判明した。以上の結果から、Chk1の自己リン酸化反応は、Chk1/14-3-3γ/Cdc25Aとの3者複合体の形成を通じて、Chk1によるCdc25AのSer76のリン酸化反応を制御し、Cdc25Aのユビキチン化および分解反応を調節していることが明らかになった(以上、稲垣担当分)。 2) 細胞周期依存的なDNA損傷修復機構とその制御機構を理解する目的で、DNA損傷部位へのdNTPs供給機構を解析した。その結果、dNTPs合成の律速酵素であるリボヌクレオチド還元酵素がTip60ヒストンアセチル化酵素と複合体を形成してDNA損傷部位に集積し、G1期に働く修復酵素群に適切な濃度のdNTPsを供給していることが明らかとなった(以上、中西担当分)。
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