2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Protein community: organization and maintenance of protein functions |
Project/Area Number |
19058003
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Research Institution | Morioka College |
Principal Investigator |
徳田 元 盛岡大学, 栄養科学部, 教授 (40125943)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 賢一 岩手大学, 農学部, 教授 (80291334)
垰 和之 東京大学, アイソトープ総合センター, 助教 (00211996)
竹田 一旗 京都大学, 理学研究科, 講師 (30332290)
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Keywords | エンベロープストレス / リポ蛋白質 / 外膜形成 / Lolシステム / Secトランスロコン / 蛋白質輸送 |
Research Abstract |
これまでに、LolAとLolBの疎水性キャビティーは、リポ蛋白質の結合と遊離によって開閉すること、LolAに2個のCysを導入し、酸化によってジスルフィド結合を形成させ、キャビティーが開くのを人工的に阻害すると大腸菌の生育が強く抑えられることを見いだしていた。前年度の研究で、このLolA変異株を発現すると、ストレス応答機構の一つであるCpxAとCpxRからなる二成分ストレス応答機構が強く活性化されることを見いだしていたが、染色体上にコードされたLolA自身の発現量も増加していた。この機構を調べ、別のストレス応答機構であるRcs系によることを明らかにした。さらにRcs系とLolA発現の関係を詳細に調べ、Rcs系の構成要素の一つである外膜リポ蛋白質RcsFはリポ蛋白質輸送が正常に作動しているかどうかをモニターする因子であることを明らかにした。リポ蛋白質の脂質修飾を触媒する酵素Lntはこれまで生育に必須と考えられていたが、主要外膜リポ蛋白質を欠損させ、LolCDEを過剰発現した大腸菌では遺伝子破壊できることを見いだした。Lntを欠損した大腸菌のリポ蛋白質は、トリアシルではなく、ジアシル基がシステインに結合していること、このようなリポ蛋白質の外膜輸送は効率が悪いことを示した。これらの結果は、Lnt欠損株が生育するためには、LolCDEの過剰発現が必要になる事を示している。細胞質膜をSecトランスロコンによって蛋白質が輸送されるときの1サイクル反応を詳細に解析し、SecGの構造変化とSecAの機能の関連を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
LolAの発現上昇は、エンベロープ形成に必須であるリポ蛋白質の外膜輸送をモニターするシステムによるものであった。これはエンベロープ形成の根幹に関わる重要な発見であると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は今年度が最終年度であるが、最近見いだしたリポ蛋白質輸送をモニターするシステムの分子機構は継続して追求していくべきだと考える。特に外膜リポ蛋白質RcsFのモニター機能は重要である。どの様にして輸送の異常を感知するのかは大変興味ある課題である。これ迄に構造異常を感知するシステムはよく研究されているが、位置(局在場所)の異常を感知するシステムは例が極めて少ない。
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