2008 Fiscal Year Annual Research Report
酵母ミトコンドリア・小胞体タンパク質の機能発現・秩序維持システムの解明
Project Area | Protein community: organization and maintenance of protein functions |
Project/Area Number |
19058005
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
遠藤 斗志也 Nagoya University, 大学院・理学研究科, 教授 (70152014)
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Keywords | ミトコンドリア / 酵母 / トランスロケータ / 小胞体 / 膜透過 / 品質管理 |
Research Abstract |
(1) ミトコンドリア膜間部でジスルフィド結合を導入するTim40の結晶構造の決定 ミトコンドリア膜間部のタンパク質にジスルフィド結合を導入するTim40コアドメインについて, MBPとの融合タンパク質として結晶化, X線で構造を決定した。Tim40の三つのジスルフィド結合のうち一つが露出度が高く, 基質へのジスルフィド結合導入に直接関与すると考えられた。MBPとのリンカー部分はTim40の疎水性領域にヘリックス構造をつくって結合しており, 基質-Tim40相互作用を反映しているものと考えられた。 (2) ミトコンドリア内膜トランスロケータTIM23複合体の作動機構の解明 ミトコンドリア内膜膜透過装置TIM23複合体のサブユニットであるTim23とTim50が, その膜間部ドメインの相互作用を介して, 外膜から内膜へのタンパク質の受け渡しの効率を上げると共に, 内膜通過に必要なマトリクスのモータタンパク質群の活性化のスイッチを入れることができることを見いだした。 (3) 小胞体品質管理におけるMnl1p-PDI複合体の役割の解明 研究代表者らが発見した酵母小胞体Mnl1pと相互作用する因子として, ジスルフィドイソメラーゼ(PDI)を同定した。PDIはMnl1pのC端ドメインに結合して, 機能に必須のN端ドメインへの適切なジスルフィド結合導入を促進するが, ジスルフィド結合が形成された後もMnl1pと相互作用し続ける。PDIは従来は小胞体内では酸化型になっていると言われていたが, 還元型も存在することを見いだした。したがってPDIは異常タンパク質をMnl1pが認識すると異常タンパク質のジスルフィド結合を還元切断する, シャペロンとして可溶性に保つ, などの働きをすることで異常タンパク質の分解に貢献することが考えられる。
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Research Products
(37 results)