2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Protein community: organization and maintenance of protein functions |
Project/Area Number |
19058007
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
秋山 芳展 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (10192460)
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Keywords | 膜タンパク質 / 膜内切断プロテアーゼ / ロンボイド / 基質特異性 / 大腸菌 / RIP |
Research Abstract |
本研究は、大腸菌における膜タンパク質の生合成、機能維持と制御、分解等の諸過程をグローバルな「品質管理機構」としてとらえ、これに関わる因子の作用メカニズムと相互作用、並びに生理的役割の全体像を解明することを目的とする。本年度は、特に膜内切断プロテアーゼGlpGについての解析を進めた。大腸菌のRhomboidホモログGlpGは、モデル酵素として最も研究が進んでいるRhomboidプロテアーゼの1つである。GlpGの結晶構造は既に明らかにされており、多くの生化学的な解析も行われてきているが、その生理的基質は分かっていない。GlpGの生理機能や詳細な基質切断機構の解明には、生理的基質の同定が急務である。我々は、2つのアプローチでその同定を目指した。Rhomboidの基質認識機構はよく分かっていなかったが、最近、グラム陰性菌P.stuartiiのRhomboidホモログAarAによる基質膜タンパク質の切断について詳細な解析が行われ、基質の切断部位周辺領域に、Rhomboidプロテアーゼに共通する認識モチーフが存在することが提唱され、モチーフ情報に基づいて新たなAarAの基質も見出された。しかし、このモチーフは、GlpGによる基質切断について当研究室がこれまでに得てきた知見とは、必ずしも合致しない点もあった。そこで、モデル基質の切断部位周辺にシステマティックに変異を導入し、GlpGによる切断への影響を詳細に検討した。その結果、GlpGは提唱されたモチーフとは一部異なるモチーフを認識することが示唆された。一方、大腸菌遺伝子ライブラリー(ASKAクローン)を用いて、in vivoでGlpG依存的な切断を受けるタンパク質の網羅的スクリーニングを行った。その結果、複数のGlpG基質候補を見出した。これらの解析を進めることで、GlpGの生理的基質を同定することが出来るものと期待される。
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